内容説明
可奈子は、母の呪縛から逃れる為に上京、結婚。仕事と家庭を両立させ、無理解な夫にも優等生妻を続けてきた。子育てに追われる日々に舞い込んだ中学校の同窓会通知。三十年の時を経て、帰郷した彼女の胸に去来する苦い秘密――。人生半ばで過去を振り返った時、女の心に“なぜ、こんな結婚をしたのだろう”という思いが沸き上り……。人生のリセットを決意した女性の深層を描く自伝的作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雨に唄えば
3
職場のこと家族のこと、そして目指していた絵画のこと。次々と夢破れていく現実。遠因を求める加山可奈子の姿は痛々しいほどぼくには理解できる。あいつよりはできてるだろう、フンッ！ という軽んじた考えは過信に繋がり、日々の努力を忘れ怠惰へと向かい……まぁ、ろくでもない結果しか残せませんでしたね。それに似た後悔を打ち消そうと過去を探る可奈子のドラマは思った以上に心惹かれる内容でした。2017/02/01
KIYO
3
[Kindle]懐かしい藤本ひとみさん。中学校の頃、ライトノベルを読み漁りました。懐かしくなって手に取ってみました。なんだか回りくどい表現…こんな感じだったかなぁ。 まぁ、大人の小説なのでまた違うでしょうが。 内容はまぁまぁでしたが、回りくどい表現がちょっと読みづらかったです。2015/06/04
kamome
2
藤本先生の自伝に近いと書いてあったので読んでみた。もう一つの自伝っぽい本でも感じたが、本当にA型だな。自分が正しいと思っていることを娘やダンナに押し付けているようにも見えるので主人公の考え方には同情は出来ない。最後の展開は面白かった2010/11/22
risaneko
1
藤本ひとみの自伝的小説ということで著者自身を知りたくて読んでみた。藤本ひとみの他のミステリーや小説の方が断然おもしろい。ちょっと暗い、閉塞的な雰囲気が苦手で とばし、とばし読んだ。こういう、夫って 著者の時代の人 私の親世代ならいるなと思う。出身地や学校、入試のことや、就職のことなど実際著者のプロフィールでみかけた内容だけど細かいストーリーはどこまで小説でどこまで本当のことなのかな？と思いながら読んでみた。 2021/06/07
なみへい
1
前半の可奈子の今の結婚生活は、旦那が最悪。結婚してから何故今まで我慢できたのかが不思議なくらい。ふと立ち止まり何故こんな生活をしているのか、同窓会で田舎に帰る機会で一気に過去の出来事を思い出す。母親の呪縛、育った環境、友人とのやりとり、、 きっと可奈子はタイトルからも離婚を決意したに違いない。第2の人生は圭介くんと…2019/08/25
