内容説明
「大将、このお店、潰さないでよ」古びた居酒屋の無骨な店主・清を前に、常連客は今宵も上機嫌。定年退職を目前に妻の愛を確かめたくなった男、息子に捨てられたと嘆くシングルマザー、年の離れた妻が自慢の男と内心で夫に毒づく妻――それぞれの抱える願望や屈託が、酔うほどに顔をのぞかせて……。このカウンターで盃を傾ければ、人生の滑稽さがにじみ出る。哀切と笑いの酒場小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
45
居酒屋店主の清さんと、そこに集まる人々の物語ですが、人情物のほっこり話ではありませんでした。 駅から15分以上も歩く町外れのうらぶれた居酒屋。 手抜きの料理の場面では、気持ち悪くてゾワゾワし、読むのを止めようかと思いました。 だらしないと思っていた清さんですが、娘を思う気持ちにはグッときました。 ミーちゃんと呼ぶ男の人が一番気持ち悪かったです。 千夏さんのご主人も気持ち悪くて、私にとっては、あまり面白い本ではありませんでした。 2015/10/03
あかは
39
色々な人。思い。事情が語られています。読みやすくていいです。わたし、この作家さん好きだな。最後まで気になった千夏もなんとか解決しそうでほっとした。しかし、色んな人がいるもんだ。すいすい読んでしまいました。2015/06/17
ゆきらぱ
24
面白かった!名作!もっと読みたい2022/06/08
おかむら
15
町外れのさびれっぽい居酒屋の店主清と常連たちの酒場小説。泣き笑い的な深夜食堂系なのかと思ったら、店主も常連ももっとダメな人っつーか、ほっこりやしんみりに落とさないとこが逆に好きだわー。こういう店の常連になってみたいようなみたくないような…2015/02/09
いつでも母さん
12
ほら、そこの裏道にあったよね、あの居酒屋!って感じで、そこの店主と娘・客の話。クスっと笑えたり、何言ってんだかと思ったり、娘、千夏を思う店主にほろっとしたり・・ちょっとだけ不思議な?作品だがサクサクと読了。嫌いじゃなかったよ。私は。2015/01/12