新潮文庫<br> 知ろうとすること。

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新潮文庫
知ろうとすること。

  • ISBN:9784101183183

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内容説明

福島第一原発の事故後、情報が錯綜する中で、ただ事実を分析し、発信し続けた物理学者・早野龍五。以来、学校給食の陰膳(かげぜん)調査や子どもたちの内部被ばく測定装置開発など、誠実な計測と分析を重ね、国内外に発表。その姿勢を尊敬し、自らの指針とした糸井重里が、放射線の影響や「科学的に考える力の大切さ」を早野と語る。未来に求められる「こころのありよう」とは。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

seacalf

212
敬遠しがちであやふやなままにしている放射能問題について、真摯な姿勢で取り組まれてきた早野龍五さんと、平易な言葉でわかりやすく提示してくれる糸井重里の対談。早野さんにしびれる。ものすごい人だ。今まできちんと知らなくて恥ずかしい。糸井重里の着眼点は、相変わらず素敵。昔から好きだ。物事の「ありよう」について、どのような姿勢で知ろうとするのかを改めて考えさせてくれる。薄い本だけれど、気付きの収穫が多い1冊。読みやすいし、とてもおすすめ!寄り道話ながら、水素の話もロマンですね。2016/05/29

やすらぎ🍀

184
3.11の直後、冷静なツイートを続けた物理学者、早野龍五氏。陰膳検査、ベリースキャン等の活動を行う。糸井重里氏との対談本。人は誰しも「野次馬」を飼っている。大変なことが起きたときに野次馬が暴れだすと、事実が見えなくなる。人は大きな物音や騒ぎに目や耳を向け、簡単に興奮し、怖れたり脅かし合ったりしやすい生き物である…。悪いことは発信されるが、徐々に回復している事実は報道されない…。その役割を担うために本はあり、正しく読み、深く考える重要性を感じます。目を背けてはいけない…「知ろうとすること」を大切にしたい。2021/01/05

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

153
文系人間にも【科学的なリテラシー】が必要な局面はあると思います。福島第一原発の事故直後から的確な情報をツイッターで発信し続けた早野龍五氏と糸井重里氏の対談集。難しいテーマを易しく説く早野氏、頭の中で絵を描いて知ろう・理解しようとする糸井氏の姿勢に共感。「書店で上から二冊目の雑誌を取る」行動が風評被害や差別につながるという説には考えさせられました。被災地の汚染状況を把握するため、早野氏が給食のセシウム検査を提案したところ、文科省が「もしセシウムが出たらどうする?」と拒否したという話には呆れました。好著です♪2015/08/19

小梅

135
東日本大震災のあと、物理学者の早野龍五のツイッターを通じ知り合った糸井重里と、事故から3年を経てあらためて現状を語り合った。糸井重里のあとがきに、人は野次馬というやつをこころの中に飼っている。この言葉が心に残りました。2014/12/02

Aby

127
研究者・専門家には,分野外の人の分からないところが分からない.マスコミは「何もありません」をニュースにしない.そして「人は信じたいことしか信じない」.共通するのは,コミュニケーションを放棄していることだ.早野氏は,ベビースキャンをコミュニケーションツールとして使えると当初から確信していたところが,素晴らしい.こういう所で,科学を優先しないセンスがいい.手本としたいです.2014/11/22

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