内容説明
某年某月、作家は小説執筆のため、ブラジルとコロンビアの二十数都市を訪れた。かっぱらい、強盗は当たり前。誘拐、暴動、テロで渡航延期勧告も日常茶飯事! 喜怒哀楽全開で人々と語り、大地の音に耳を澄ましながら突き進む放浪取材。二ヶ月間の旅の末に辿り着いた“大切な感覚”とは? 三賞受賞作『ワイルド・ソウル』はこうして描かれた!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
269
垣根涼介が「ワイルド・ソウル」執筆のために、およそ2カ月にわたって敢行したブラジル、コロンビア滞在記。残念ながら、空気感や風土感はさほど伝わってはこない。どちらかといえば、著者がそこで会った人たちにスポットが当てられている。その意味では日本とは大いに違う異国だ。"アモール"の国なのだろう。また、この地域、特にコロンビアの治安の悪さが強調されているが、ガルシア・マルケスの国だけに1度は行ってみたいとは思っていたが、腰が引けそうだ。2013/10/07
再び読書
25
「ワイルド・ソウル」の原点になる南米の取材旅行記。残念ながら期待したほど面白いものではないが、著者の感じた、ブラジル、コロンビアが描かれている。また、日系人も多いように感じる。「ワイルド・ソウル」「サウダージ」の悲しさもこの旅行から、紡ぎだされたものかも知れない。治安も含めて問題もあるが、故郷を愛する、好きになる純朴さに、日本人には無い、無くした?いや、はじめから無い?南米の特に女性の、ある意味前向きな生き方に少し感動を覚える。2014/02/13
ゆきねこ
22
垣根涼介さんの20年近く前の旅行記。今は、世界中がコロナ禍で、世界旅行を自由に行っていたことが夢のようです。南米、特にコロンビアは危ないと、危ない目にあっていた人たちから体験談を聞くことも、実体験になる。売春婦のヒモになっていた南米移民が、農場を再度作ることになった時、その女性を連れて行かなかったことを「なぜ連れていかなかったのですか。」と詰問する場面があり、垣根さんの男気を感じました。「今まで、1日も思い出さなかったことはない」とか。『アモール』無償の愛。早くコロナが収束し、アモールが広がりますように。2020/05/24
かんちゃん
16
ここ数年で一番のお気に入り作家、垣根涼介さんの南米放浪記。『ワイルドソウル』はこの取材からうまれたんだ!南米特有の底抜けの陽気さとその裏にある暗さのコントラスト。私も垣根涼介さんと同じで、2、3回話をすればアミーゴって感じの尻の軽さが好きです。雰囲気の硬い人って私も苦手だな〜。。。 一度南米に行ってみたいな〜!でもやっぱり治安の悪さが怖いかな。。。2015/05/01
マーシュランド
15
垣根さんの南米放浪記▼ワイルドソウルに度肝をぬかれましたが、これだけの取材をされていたとは▼自分の住んでいる街を愛しているか?▼今回も刺激を受けました▼180722018/08/28