内容説明
新婚の床で夫を殺した女を妻にするとなると、結婚に対して臆病なディ・バラ家の兄弟たちでなくとも、二の足を踏むだろう。だが、それは国王の命なのだ。兄弟のうちの誰かが、その獰猛で野蛮な女を、宿敵フィッツヒューの跡取り娘を、娶らなければならない。そして公正なるくじの結果、非運の花婿に決まったのは、兄弟一、温厚で学者肌のジェフリーだった。実際に会った花嫁エレナ・フィッツヒューは、見た目も、ふるまいも、予想以上にひどかった。くしゃくしゃの長い髪で顔を隠し、男でも口にしないような悪態をつく。新しい夫の寝首をかくことも、充分考えられた。もちろん、手を触れるなど、もってのほかだ。しかし、長い髪に隠れる琥珀色の瞳と愛らしい顔を目にし、衣服の下のなめらかな肌と優美な体の曲線に気づいてから、ジェフリーは妻を我がものにすることしか考えられなくなった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くろうさぎ
6
末っ子ニコラスの話を読んで、ジェフリー、エレナご出てたので、、久しぶりに再読。2018/08/20
くろうさぎ
4
欲深く冷酷な父親の元に生まれて、悲惨な目にあってしまったヒロイン。ディ・バラ家の中では知性派のヒーロー。くじ引きとはいえ、心を通わせようと頑張るヒーローが好きです!葛藤してます!最後のディ・バラ家の団欒が楽しいです!2011/11/25
MOMO
3
わが身を守るため、生き延びるために、見た目と態度とナイフでまわりを脅しつづけてきたエレナちゃん。ジェフリー君の忍耐度を試すがごとく、とことん逆らい、抵抗を続けます。(ジェフリー君が可哀相になるくらい・・・)おまけに心優しい義姉のマリオンちゃんをばかにするし、勘違いなヤキモチをやいて無礼な振る舞いをするし・・・・。それでも、ジェフリー君をばかにしたり、危害をくわえようとする者たちには苛立ち、彼の背後を守ろうと目を光らせたりする彼女は、長年かけて作りあげた、とんでもない悪女という鎧の下に、孤独な魂と、熱い心を2009/07/20