内容説明
映画『瀬戸内海賊物語』から生まれた、もうひとつの冒険――。
島の危機を救うため、村上水軍の伝説の財宝をもとめた子供たちの大冒険が今、始まる！ 映画『瀬戸内海賊物語』から、青春一歩手前の子供たちの成長を描いた、ちょっと切ないアナザーストーリーが誕生。両親の離婚により、小学６年生の麻田冬樹が東京から引っ越してきたのは、瀬戸内海に浮かぶ小さな島、鈴鳴島。自分の意志とは関係なく流れていく日常に、無気力になっていた冬樹。その心をそっと揺り起こしたのは、村上武吉を先祖にもつ少女・村上楓との出会いだった……。映画からインスピレーションを得たオリジナルストーリーを、思春期の子供たちの心情をみずみずしく描くことで定評のある作家・黒田晶が書き下ろす。映画を観る前でも後でも楽しめる、小さな島で起こったもうひとつの奇跡の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
88
同名映画の書籍化。瀬戸内海の小島に住む子供たちが、先祖である水軍の遺した宝物を探す。冒頭は『村上海賊の娘』を思わせ、宝探しの場面は『インディー・ジョーンズ』、ラストはファンタジー。リゾート開発の問題、行方不明の少年、東京から越してきた主人公の心の葛藤などいろいろ盛り込まれて散漫な印象を受けた。児童書でも噛んで含めるような言い回しはあまり好きになれない。映像なら景色の美しさで楽しめるのかもしれない。2016/12/16
Gummo
34
リゾート地化されようとする島の危機を救うために、４人の小学生たちが、村上水軍が隠したという財宝を探しに出かける物語。映画版のアナザーストーリー。時に無謀とも思える子供達の行動力と冒険心が、大人たちの心をも動かしていく様が気持ちいい。★★★☆☆2014/05/22
海猫
15
映画関連本でも単体の児童文学としてよく出来ている。冒険に出るまでの子供たちの心情や交流、情景などよく描けているだけに肝心の冒険パートの分量が少なく駆け足なのが残念。ここの謎解きや成長ドラマを書き込んでくれればさらにロマンや感動が生まれて数段上の作品になっていたと思う。枚数の制限からだろうがもったいない。もっとファンタジックな内容と思っていたがわりとリアル寄り。これに関しては荒唐無稽さがなく身近に体験できる冒険といった感じがあって良し。映画のアナザーストーリーなので映画の方はどうなのか機会があれば見たい。2014/06/12
バニラ風味
12
冬樹は、東京から、母と二人で島に引っ越しをしてきた。そこで、成り行き上、友だちになった楓・学と共に宝さがしをすることに。複雑な状況を抱えた愛子も参加して、宝探しの策は練られた。全ては、リゾート開発会社に、島を乗っ取られないために。ある日、バーベキューするだけと言って大人を安心させ、夜に浮かぶ白い海霧に向かって、子どもたちは繰り出した。村上海賊伝説のお宝を探す、冒険物語。大きなストーリーの内容を子供用に凝縮し、「概要」に近くなっているような気もするが、わくわく感を保ったまま、さらっと読めた。2014/06/16
かな
9
村上水軍の子孫の楓、学、愛子が住む瀬戸内の小さな島がリゾート開発に巻き込まれ、そこに東京から転校してきた冬樹との日常を描く物語みたいな感じだったのが後半は宝探しに発展してゆく。数日前、金曜ロードショーでグーニーズが放映されていて何となくイメージかな・・・。映画にしたら面白いのにと思ったら、すでに７年前に映画になっていました。早速レンタル借りにいかなくっちゃ。風光明媚な風景でどんな映像作品になっているのかとても楽しみです。できれば、小説のイメージが壊れていないことを祈ります。2021/07/02
