内容説明
新原稿の表題をタイトルとしたが、ことばの美しさを追求する著者にとって、日本の現状は涙なくして語れないのだ。月日がたってもことばの作法に進歩がなかったということにくわえ、小学生から英語を学ぶことが決まり、なおさら嘆きは深まったのかもしれない。著者は歳を重ねて一層教養を積む重要性を問うている。思考はことばによって育まれるのだから、われわれが、もう少し上品で、ていねいな人間になるには、ことばの常識を高めることが肝要なのだ。世界的に評価されている「おもてなし文化」は、日本語の敬語文化の上に成り立ったものであり、敬語は家庭教育の賜物なのだ。人と会って、気持ちよくたのしく術を身につけよう――日本語が一層洗練されることを望み、教養ある日本人を切望する、珠玉のエッセイ30篇!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
桜もち
27
日本の講演会では質疑応答の時間を設けても質問が出ないと言われて久しいが、最近は手を挙げる人が出てきたようだ。ただし、愚にもつかぬ些細な揚げ足取りや質問が多い、とのこと。激しく同意!元の話を全体として把握していないからどんどん枝葉末節へ散ってしまう。そんなこと聞いてどうするの?って思うこと、確かにある。それでもって、活発な質疑が行われたと評した日には…これじゃ言葉に対する嗅覚が鈍い(筆者は『馬耳東風』から、馬の耳と呼んでいるが)と批判されるわけだ。だが馬の耳を当人や周りが気づいていないのがもっと怖い。2016/01/27
魚京童!
19
やっぱ老害は五月蠅い。諦めます。2016/05/22
和草(にこぐさ)
8
日本語の良さ、大切さをいつも教えて下さる外山先生。絶対語感を身に付けたい。2016/02/16
kuma suke
6
果たして私はどれだけ日本語の乱れに気づくことができているのだろうか。2016/02/21
文麿
3
Kindle Unlimited。うーん。さすがに40年近く前に書かれた物なので現代の価値観と乖離があるのはしょうがないか。とはいえ、今でも十分に通用する教訓もあるので勝手に取捨選択及びアレンジして今後に活かしたい。なお、たった今、本を「お受け取り致しました」と書いているラノベ作家を見つけた。外山先生なら「いただきました」と添削の手紙を出していたことだろう。2024/06/06
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