内容説明
深夜の牢獄で。鬱蒼とした森の奥で。焼け落ちんとする家の中で。騙されて飛び出した、夜闇の狭間で。戦死者の折り重なる戦場で。舌舐めずりする観衆の面前で――。一対一、素手。物語は全編決闘のみで綴られる。様々な時代・場所で、やむにやまれぬ事情によって、人生のすべてを賭けて展開される真剣勝負。戦闘描写の鮮烈さで注目される時代・歴史小説の新星がディテールにこだわりぬいて書き上げた、異色の格闘時代小説連作集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まー
5
矢野さんの本3冊目。知らなかったけど6編からなる短編集でした。タイトルそのまま、ガチ、真剣勝負のあらゆる格闘(けんか)をテーマにした話です。どれもやりたくてやっているけんかではないけれど、人は生きるか死ぬかの瀬戸際まで追い詰められた時、どうしようもなく行き詰まって思い詰めてしまったときどうなるのか。色んな人が出てきます。誰が正しくて誰が間違ってるとか、どっちが良くてどっちが悪いとか、この話を読む限りではあまり関係ないですね。人間の性(さが)をストレートに表した内容です。2017/08/27
takehiro
3
帯を読んでただひたすら殴り合いの場面を書いている時代小説かと思ったけど、人間の本性というか弱肉強食の世界というか、予想外に重かった。2019/03/02
mushoku2006
2
本作品も、純粋に人間の暴力性に光を当てた時代小説短編集。 時代小説の形をとらないと、ちょっと生生しすぎて毒気がありすぎる気がします。 残虐な描写はもっとすごいのが現代小説であると思いますけど、なにしろピュアなので、その分アタリがキツイ。 ラストの作品での、 >>人間は闘う生き物だ この言葉が印象的です。2012/08/04
みやきよ
0
短編集。闘いを基本とした話。私は闘いの話が大好きだし、自分も武道をやっているが、決して誰かと争うとは思わない。2021/11/07
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- 和書
- 考えられないこと