徳間文庫<br> 触法少女

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徳間文庫
触法少女

  • 著者名:ヒキタクニオ【著】
  • 価格 ¥748(本体¥680)
  • 徳間書店(2015/04発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784198939595

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内容説明

幼い頃、母親に棄てられた過去をもつ深津九子(きゅうこ)。児童養護施設から通う学校では、担任が寄せる暗い欲望を利用して教師を支配していた。同じクラスの西野も九子の下僕だし、里実からは憧れの対象として崇(あが)められていた。ある日、母親の消息を知るチャンスが巡ってきた。運命は激しく動き出す。あんな母親なんていらない。14歳の誕生日を迎える前に、私は……。戦慄だけでは終わらない、読者の心を震わせる書下し長篇完全犯罪ミステリー!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちょこまーぶる

149
読後は辛い気持ちとホッとした気持ちが入り混じったように感じた一冊でした。悲しい気持ちは、虐待を受けた過去を引きずりながら成長した少女が、自分の母に対して殺めたいという思いのまま綿密な計画をたてながら実行に移す過程で虐待の過去から逃げられず、子の一生を左右してしまう現実に辛さを感じ取ってしまいましたね。ホッとした気持ちは、読み進めるうちに、殺めることに全否定することが正しいのかという考えが頭に浮かび、少女が母を殺めることで後の人生が少しでも楽になるかも・・・と思い始めると、少女の行動を認める自分もいました。2017/11/08

🐾Yoko Omoto🐾

140
13才と14才、たった1才の違いが刑罰の対象の境目となるという点がミステリとして巧みに利用されており、作品のテーマと仕掛けが見事に嵌まった徹夜本。ネグレクトに対する心的障害や親への激しい憎悪などに理解を傾けられつつも、「殺してしまいたくなる人間はいるものだが殺していい人間なんていない。殺したいと思ったとしても実行しないのが通常の人間だ」という刑事の言葉がやはり真理であろう。また、子供の浅知恵で完全犯罪を成し遂げられるほど警察は甘くない。内容に反し読後感は悪くないが、触法少年という法律にはやはり疑問が残る。2015/07/25

NADIA

111
何となく「オーダーメイド殺人事件」的な雰囲気を期待して読み始めたのだが、全然違った(当たり前だ(^^;)。ヒロインである九子には、周囲の人を小ばかにしている態度性格に愛着を全く感じられず、彼女の母親殺人計画を進める姿にも応援するような気分にとてもなれない。むしろ「早く捕まればいいのに」的な憎しみを感じるのはなぜだろう?? しかし、ラストは思いもがけない展開であっと言わされた。この部分のために読んでいたのか!! 確かに伏線はあったが見事にだまされた(^^)  2017/02/16

キャプテン

89
★★★★★_「帰ってきた!クソ女イヤミス小説大賞」第四弾。よほどのことが無ければ、大賞はこれで決まり。《触法少年》14歳未満少年少女が、刑事罰に問われる事件を起こすこと。児童虐待の末に、肉親への殺意を募らせた少女の幼き犯罪計画とは。360Pぐらいの衝撃がハンパない。男性作家がイヤミスを書くとこうなるのか。クソ女研究家キャプ博士コメント【深海魚型崇拝系クソ女ですね。人は誰しも、心の中に“対話するための自分”がいます。悪魔か天使か。はたまた、天使の顔を宿した悪魔か。母親はきっとどちらでもない】なるほどですね〜2016/11/15

まさきち

88
幼い頃に母親から虐待を受け施設で暮らしている九子、周囲の幾人かを下僕や信者として従え暮らしていたが、とあることをきっかけに実の母親と再会して憎悪をよみがえらせ、事故に見せかけた猛毒リシンでの殺人を計画し始める。施設の先輩・華蓮の助力や同級生で信者の里見を利用して事上手く運び無事(?)母・瑠美子は亡くなるが、終盤で明かされる事件の真相、華蓮の秘密や里見の秘めたる行動、さらには本人さえ気づいていなかった九子の心の状況など非常にうまく落とし込まれていて存分に楽しめた一冊でした。2016/01/29

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