創元SF文庫<br> 未来の二つの顔

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創元SF文庫
未来の二つの顔

  • ISBN:9784488663056

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内容説明

レイモンド・ダイアー博士は、ニューヨーク市立大学で人工知能の研究をしていたが、月面の工事現場で起きた重大な事件のために、その研究の中断を申し渡された。コンピューターが誤った判断を下したため、五人の人間が危うく殺されるところだったのだ。人工知能研究の重要性を信ずるダイアーは、コンピューター管理システムの安全性を確かめるべく、宇宙空間に植民地として建造された巨大宇宙ステーションにおける壮大な規模のシミュレーションを提案した……。ハードSFの第一人者ホーガンが卓越した科学知識を傾けて描くコンピューターSF!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヒデキ

55
コミック版は、以前に読んでましたが、 原作は、初読でした。 AI研究者の方が、割と読んでいて なるほどなあと思いました。 自分の頭の中でここに出てくるコンピューターが、AIと結びつかなかったのに今さらびっくりしています 「本能」を組み込んだAIってどうもイメージできなくて コンピューターが、人間をどう認識しているかもすごく気になります2024/05/17

おたま

51
『AIを生んだ100のSF』に取り上げられており、何人かのAI研究者が影響を受けたと述べていたので読んでみた。1979年に発表された本だが、かなり正確に現在のAIの可能性を言い当てている。特に前半で描かれる、人工知能の育成のところや、自己学習能力をもつまでのところは、現在の研究者でも頷くだろうし、書かれている取り組みは極めて興味深いものとなっている。問題は、そのAIに生存本能=自己保存能力を育成したときに、果たしてどうなるか? ここではそうした生存本能をプログラミングするとともに、強烈な負荷をかけてみる。2024/07/27

bookkeeper

40
★★★★★ 再読。AIは生活インフラを委ねられる程信頼出来るか。これを検証する為の負荷実験場はスペースコロニー「ヤヌス」。人類の未来は安寧と発展か、それとも機械による種の殲滅か。 空前絶後のスケールと深遠なテーマ性が際立つSFの傑作。ヤヌスの見取り図がでる中盤まで我慢すれば、あとは一気読み!コロニーを舞台にマシンと戦争…ワクワクが止まらないでしょ。しかし、仮想世界をシュミレートするにはコンピュータのスペックが足りないのでコロニーを使おうって発想が豪快です。 「もうすぐ、スパルタクスも故郷に帰るのだ」2019/07/12

hisa_NAO

22
人類が月にまで生活圏を広げた2028年が舞台。急速に発展するコンピューターAIは自意識を持つのか?人類に反抗するのか?。では、実験で確かめてみましょうって話。 フランケンシュタイン以来の古典的テーマに説得力ある合理的回答を与える、ハードSF。根源に流れる、科学に対する楽観的理想論。人類の未来に対する信頼。ちゃんと小説としても面白くて、何度も読んでる、大好きな一冊。2019/01/19

ほぼひつじ

17
未来には二つの顔がある、〝史上最大の進歩〟か〝人類の終わり〟か。AIによる管理システムの是非をめぐり、巨大な宇宙コロニーで前代未聞の実験を行う。もしAIが進歩の過程で意識、感情に似たものを持ったとしたら? 人工知能が反逆するに至る経緯は? 人智を超えたAIを人の手で制御できる? 綿密な設定のおかげで単純なパニックSFではなく、高度な能力を持つテクノロジーとの付き合い方を考えさせられる内容です。30年以上前の小説ながら、保守点検や攻撃するドローン、全自動の工作機械など、地続きの未来を感じることに驚きます。2016/02/06

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