そばかすの少年

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そばかすの少年

  • ISBN:9784309464077

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内容説明

片手のない、孤児の少年「そばかす」は、リンバロストの森で番人として働きはじめる。厳しくも美しい大自然の中で、人の愛情にはじめて触れ、少年は成長していく。少年小説の傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

64
赤毛、そばかす、孤児院育ち、片手という少年が、ひどいいじめから逃げ出し、森番となる。自然を愛し、厳しい自然の中でたくましく育った少年が、都会での名声より自然を選んだことにほっとした。とはいえ、厳しい自然の中で片手の少年が暮していくということは、もっと大変なんじゃないだろうかと思ってしまう。2017/08/03

ぶんこ

53
「リンバロストの乙女」を先に読んでいたので、エレノアがいつ出てくるのかと楽しみにしていたのですが、出てこなくて物足りなかったですが、エンゼルとの深い崇高な馴れ初めを知れたのが嬉しい。リンバロストの森の魅力より、無数の虫や蛇の話が強烈すぎて、セイラが怖がったのに激しく共感して、釧路湿原や尾瀬を思い浮かべ、広々とした湿原の奥の密林ともいうべき場所の恐ろしさを感じてしまった。セイラの働き者の手に口づけした(そばかす)。この場面の感動は忘れられません。誠実に人生に立ち向かう清々しさを再認識させてもらいました。2016/09/15

白のヒメ

50
どんな自分であっても良心にそって真面目に生活していれば、必ず報われる時は来るのだ。そんな道徳的な感動で心が洗われる作品。凄く王道な大大円のエンディングも、かえって新鮮でした。訳者のほかに、竹宮恵子さんの後書きもあって、この作品を漫画化したとあった。きっと絵柄も雰囲気もぴったりだろうな~。2015/08/28

hiro

32
読みながら子供の頃に家族でよく観ていた「世界名作劇場」を思い出しました。この作品に子供の頃に出会っていたら どんな風に感じたのだろう。きっと大好きだった「愛少女ポリアンナ物語」と並ぶくらいお気に入りの作品になったのだと思います。リンバストの森の描写が とても素敵です。自然を愛し、純粋で誠実なそばかすと、そんなそばかすを愛する人びとの物語。村岡花子さんの言葉がとても綺麗です。あまりに綺麗で真っ直ぐな言葉たちにオバチャンの私は かなり照れてしまいますが(笑)…村岡花子さんの言葉の美しさを改めて実感しました。2015/06/21

糸車

31
心洗われる作品という言葉がぴったりくる。何度読み返してもハンカチが必要。日々家事に追われている、中年で子だくさんでぽっちゃりしたダンカンのおかみさんの乙女心に胸がきゅん。そばかすからひびやあかぎれだらけの手に尊敬と憧れをこめたキスを贈られ、彼の寂しさを思いやって号泣するおかみさんの姿にこちらも思わずもらい泣き。手を洗い桶にひたしてもこのキスはわたしのもの。まっすぐ届いてわたしの心臓を落ち着き場所にしてしまう。だから誰もこのキスを奪えない。忘れられないくらい素敵な言葉だと思う。2015/07/24

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