内容説明
事件は、商産省の組合の秘密闘争計画が、省側に筒抜けになっていて、スパイが発見されたことが発端だった。裏切り者の組合員と、彼の内縁の妻と誤認された女性が殺された。二つの事件の容疑者も事故で死んだ。事件全体に釈然としないものを感じた警部補。鉄壁のアリバイ。密室で姿を消した凶器。乱歩賞次席ながら世に出た、笹沢推理文学の輝ける出発点。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mnagami
3
これはすきなタイプの本。地味な捜査が犯人を追い詰める後半がよかったが、前半、事件の焦点を明確化してくれて丁寧だった。2作目「霧に溶ける」も読みたい2017/09/02
tara
2
再読。学生時代に読んだ際はトリックにばかり目が行って、犯人の動機の悲愴は感受し切れていなかった。読み返して初めて理解できたタイトルの重みに唸る。2019/07/11
竜
1
面白かった。そして、物悲しかった。昭和のミステリーはいいですね。さすがデビュー作だけあって、密室、暗号、アリバイ崩しとてんこ盛りの内容でした。ただ、もし、自分が犯人なら、このアリバイトリックを使う勇気はないなあ。2019/02/02
ウラえめ
1
商産省の労使闘争、スパイ職員の死、その内縁の妻と誤認された女性の殺害、そしてその容疑者の事故死など、背景はとても良かった。解説にも記されていたが、それだけに、トリックの作り込み過ぎ感が引っかかる。特に、犯人のアリバイ崩しのところ。ちょっとくどかった。。。ただ、この作品が1960年代に書かれたことには驚かされる。全然色褪せてなんかいません。2010/02/19
kanamori
0
☆☆☆★2011/10/14
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