内容説明
ダービートレーナー・矢作芳人調教師の原点ともいえる作品が増補改訂版として登場。
開成高校出身でありながら、調教師試験に13回失敗という異色の経歴を持つ調教師である著者。開成高校卒ならではの経営術と挫折にまみれたからこそ醸成された人心掌握術、個々の馬の激走の理由、そして未来への提言…コアな馬券ファンからライトなファンまで競馬ファンはもちろんのこと、これから起業を目指す人や、経営者の方にも必見の内容です。
本書は、2008年に白夜書房より発刊された『開成調教師 安馬を激走に導く厩舎マネジメント』を加筆修正し、スーパーホーネットのこと、海外遠征のことなど「その後の話」を新たに収録した一冊です。
著者について
1961年生まれ。2005年の開業以来、着実に成績を伸ばし、2008年にJRA史上最速での通算100勝を達成(当時)。2009年に関西リーディングを獲得すると、翌2010年にグランプリボスで朝日杯フューチュリティステークスを制してGI初勝利。そして、2012年にはディープブリランテで日本ダービーを制し、ダービートレーナーの称号を手に入れた。主な管理馬は、ディープブリランテ、グランプリボス、スーパーホーネット、タイセイレジェンド、ダイワマッジョーレ、ヘニーハウンドなど。横浜DeNAベイスターズ三浦大輔投手の愛馬・リーゼントブルースも同厩舎に所属。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
むとうさん
4
競馬に関心があるわけじゃないが、母校のOBなので笑。数年に1度こういう大学に行かないで面白い道に行く人がいるらしい。効率のいいところに馬を配置してとにかく一円でも多く稼ぐ、というのは経営者的スタイルだが、それが広まっていないのが競馬界の問題らしい。競馬なんて「競」走の世界だろうに、厩舎の経営についてはあまり競争意識がないんだな。運動会の運営ノウハウがいろんな発想に活きているというのはOBならではのうなずきポイント。とりあえず、競馬界の基礎知識が何となく身につくのも○。8位まで賞金って入るんだな。2014/03/10
SHINGO
0
開成中学・高校出身の調教師が下積み時代とG1を勝つまでのプロセスを書き下ろしたもの。言われてみれば確かに勝利数は多いし、故障馬もかなり少ない。本書を読んでみて、先進的な調教スタイルだけでなく、優秀な経営者でもあった。いかに馬房を効率良く回すか…出走回数が多いのはなるほどである。中央競馬の厩舎社会に革命を起こす人であろう。なかなか面白い。2014/03/04