内容説明
産業大国・環境大国の原点は、日本の「食文化」にあった! 「勤勉」「もったいない」など日本的精神の誕生を「食」の視点から分析した異色の日本人論。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Jackie
3
歴史や農業事情から日本人のもったいない感覚の源流についていろいろ書かれているが、読んだ私の感想はこう言ってしまうと身も蓋もないけど、身近に戦争や災害などで食料や物資の欠乏を身にしみて味わった人がいるかどうかの一点にかかっているように思えた。(著者の方も最後の方で若干そんなニュアンスもあったけど)日本人がどんな歴史を踏まえてここまで来たからと言って、生まれたときから親世代も食べるのに苦労したことがない今の若い世代が果たして「もったいない」の感覚を上の世代と同じように持っているだろうか?甚だ疑問。2024/03/20
ベリ子
1
食の歴史について詳しく書かれていると思って手に取ってみたが、想像と違った。日本の人口の推移と稲作について中心に書かれており、日本人の稲作文化と自給率、もったいないは江戸の人口集中以降に起こったというような内容で、日本文化に基づく食文化ではなかった。自分の読みたい内容ではなかったが、昨今の自給率の問題や少子化の問題をもう一度考えるきっかけになったことは良かったと思う。2015/08/15
まりにゃ
1
長い人類史を通して、日本の食糧事情が、世界の中でいかに特殊であったか、よく分かった。その食糧事情により形成された精神文明は、欧米はもちろん、オセアニア・アフリカ・南米・イスラム圏には、理解の外。アジア、儒教や仏教圏の農耕国であってさえ、共有されないものらしい。世界地図を、精神文明で色分けすると、日本はただ一国、他のいかなる国とも同じにはならないという。明治以降現在に至るまで、国際外交で苦労するのも、むべなるかな。2013/05/10
kilroy
0
★1つ(他の著作も)日本酒と読書の星が表記違うことに気付いた(笑) 今回から統一します~ で、食文化から(農業から)歴史をみるといろんなことが見えてくるって内容。現代史もわかりやすくなる。で、日本列島は定員オーバーだから食料自給率上げるのは現実的ではないな~と。6000万人くらいの人口が自給できるキャパらしい。2013/03/25
まあ
0
日本人にしかない「もったいない」という感覚を、農業研究者の作者が食の歴史、特に稲作の歴史から分析。表やグラフの解釈にやや強引な面も感じたが、田畑に投入する窒素量に着目した点は面白かった。日本の文化がなぜ世界で独特なのか、今後の日本は、TPPなどの貿易自由化の国際社会においてどうすればいいのかを考えるヒントになる1冊でした。2011/02/13