内容説明
誰も疑問に思わない学校というシステムにふと違和感を覚えたその日から、思いもよらない陰謀に巻き込まれ、壮絶な逃走劇を繰り広げる、暴力と愛、性と孤独、死と希望に満ちた、平山瑞穂ダークサイドの到達点。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめか*
21
殺すわ血出るわというダークな平山作。会話の「」すらもない硬めの文体で、でもそれが内容には合っている気がした。中学なのに生徒の年齢は様々で、なぜか卒業できないまま学校に閉じ込められている。全て自分のせいにされてハメられて先生から屈辱を受ける、報われない主人公で辛かった。卒業するにはこの酷い先生を全員殺す必要があるという設定は、強い者が弱い者を支配する社会圧力への抵抗を表しているように思えた。総論的には彼は叶わぬ初恋から卒業できなかったのだと解釈できる。いつまでも過去に囚われてはダメという話だと私は解釈した。2019/03/02
そのぼん
15
荒んだ空気の漂う架空の学園もの…といった感じでした。 設定に慣れるのに少し時間がかかりました。果たしてこの作品は何処のジャンルに入れればいいのでしょうか?読みながら迷っていました。2012/06/17
浦
7
現時点で、すべての小説の中で一番好きな作品。好きな部分を電子書籍で繰り返し、もう何度読んだことやら。今回は絶版になった紙の本が手に入ったので頭から通しで読んでみた。紙の本独特の紙面のあたたかい感じと重み、装丁と各章の名前が全てのページに印刷されていることで、こんなに印象が違ってくるのか。主人公の境遇は、結局どんなものだったのだろう。実はすでに亡くなっており、未練に縛られて魂がどこへも行けなくなっていたのだろうか。そして、二人のヒロインと、担任や一部の先生たちは真実を知っていたのではないか。興味は尽きない。2016/03/10
浦
5
平山瑞穂さんの作品にある程度共通していると思うけれど、淡々とした調子の描写を飽きずに読んでいくと、最後の方にぐぐっとスピードが上がっていき、ラストを通過するとき、はっとする衝撃を喰らったまま、いつまでも余韻が残る。 青春時代に思い残したことのある人には分かるのでは。「あのとき」に何かを置いてきてしまって、それでもなお、それを超える大切な現在を掴めている著者だからこそ書けるラストだと思う。 いまは電子書籍でしか買えないけれど、もっとたくさんの人の目に留まってほしい一冊。2015/05/10
浦
4
再読。初読みではスルーしていた伏線に気づき、更に切なくなった・・。また、学生時代特有の、若気の至り感満載の記述がいっぱいで、笑ってしまった。一つ一つの場面は決して現実ではありえないものなのに、伝わるのは、確かに僕がかつて経験した、青春時代そのものの場面なのだ。恋も、孤独も、閉塞感も。全編、主人公の「岸谷涼子が好きだ」という心が狂おしいほど伝わってくる。最終場面の切なさは、ついついそこばかり戻って読んでしまい、前に進めないほど。こんな名作がたった3000部だけだった(著者ブログより)なんて嘘だ・・・。2015/09/13




