角川文庫<br> ラス・マンチャス通信

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角川文庫
ラス・マンチャス通信

  • 著者名:平山瑞穂【著者】
  • 価格 ¥594(本体¥540)
  • KADOKAWA(2015/04発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784043905010

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内容説明

少年時代の終わりの日、僕は姉を犯そうとする「アレ」を撲殺した。執着と断絶を繰り返す異形の家族のサーガを既存の枠組みを踏み越え、ガルシア・マルケスにも擬えられるマジックリアリズム的手法で描く壮大な物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ひめか*

42
恐ろしくおぞましい。カフカのような世界観。彼の作品は3作読んだが、これほどまでに違う作風を見せるのかと衝撃を受けた。陸魚というこの世に存在せぬ得体の知れない者、そして人なのかとにかく気持ち悪い”アレ”が登場することから始まる。アレはまるで人間ではないように描かれるが実在する者だった。一人の人物の人生が描かれるが、全体的に憎悪と苦しみに溢れた暗く重い作品。「」が全くないのもこの物語の重々しさに相応しい気がする。グロテスクなシーンも多くあまり私の好きな世界観ではないが、平山さんの新たな一面を見られて良かった。2015/12/10

miroku

20
陰惨で醜悪で何故か切ない物語。ファンタジーノベル大賞受賞作品は一筋縄では行かない。2017/08/23

14
切ない。最終章は文のかたまりひとつひとつが、ぜんぶ切ない。平山瑞穂の初期作はとにかく最後の章が、どうしたらこんな表現ができるのかという程切ない。何回も読み直して物語の異様さに慣れきったあとに、今回はじめて発見した。次はどんな感想を持つんだろう。2017/04/27

Ich_co

11
#psbooks / 寓話の体をとっているのだけれど、主人公の生きづらさや不遇の感触がすごく生々しい。目を覆うフリをして、指の隙間から覗き見したくなるような、どろりとした魅力を持つ物語。濃いです。最後の姉のくだりがちょっと作りすぎなのが残念だけど、面白い。2010/08/16

naimon

11
なんだか日常の平衡感覚が微妙に崩される本。まったくの空想であれば割り切れるのに、リアルっぽいの物語観に微妙に「変な」空想を混ぜてるから、読書中、座り心地がムズムズ。文章が平易で読みやすいのがさらに、このムズムズさを加速させる。例えていえば、スープの中に嫌いな椎茸がほんの少し入っているようなものか?違うな、宇宙人の食べ物を少し混ぜてる感じ。しかも、後半、奇妙な味に慣れてくる!これは珍味だ!2009/11/14

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