内容説明
いま日本はアメリカに追いついた後、未来展望を見いだせず深刻な閉塞状況に陥っている。まさに五大国入りしたのち追い詰められ大東亜戦争に突入した「あの時代」と似ているのではないか。開戦直前、高坂正顕を含む西田幾多郎門下生(京都学派)の面々は「世界史的立場と日本」座談会で、近代機械文明の行き詰まりからくる近代人の精神的煩悶、傷ついた心について言及し、「東洋の思想で精神の自立を成し遂げられないか」と真剣に議論した。一方、戦後を代表する国際政治学者・高坂正堯は現実主義外交で日本の繁栄を演出しながらも、湾岸戦争後は父の残した「日本の自立」という課題に取り組み答えを見出そうと苦悩した。本書では、近代日本の宿命に対峙した父と子の高貴なる精神のドラマを近親者である著者の眼を通して描き出す。アメリカの呪縛から脱し、自らの文化・伝統に基づく価値で物申すための姿勢と方向性を考える渾身の力作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Haruka Fukuhara
4
力作。家族愛が伝わってくる。兄貴よりも父親の方に主眼を置いてる印象だった。京都学派についての記述が多くて面白かった。2017/03/03
ねこみ
0
最高に知的な人間ドラ2011/12/03
深窓
0
高坂正堯の弟である節三氏が書かれた、父正顕・兄正堯の伝記。正顕について取り上げている部分が多く、正堯については近年多数出ている伝記や研究書を読む方が得られるところは多いかもしれない。しかし、父正顕の思想が正堯に影響をどのような影響を与えたかについては2人の関係を最も近くでみていた家族ならではないか、と感じられた。2022/01/22
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