福島原発、裁かれないでいいのか

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福島原発、裁かれないでいいのか

  • 著者名:古川元晴【著者】/船山泰範【著者】
  • 価格 ¥760(本体¥691)
  • 朝日新聞出版(2015/04発売)
  • 初夏を満喫!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン (~5/18)
  • ポイント 150pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784022736000

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内容説明

3.11の原発事故は、国会事故調査委員会でも「明らかに人災」とされた。2014年7月、検察審査会は、東京電力元幹部について「起訴相当」としたが、東京地検が一度、「想定外なので責任はない」としたことは重く受け止めないといけない。「人災」を「想定外」で終わらせてしまっていいのだろうか……。◆京都地検・検事正や内閣法制局参事官などを歴任した元検事である古川元晴と、正義の刑法学者・船山泰範は、過去の判例を克明に調べ、「想定外」だったとしても過失責任が認定された「森永ヒ素ミルク事件」や「カネミ油症事件」などを例に出しながら、「危惧感説(合理的危険説)」という学説ならば、国や東京電力の過失責任を確実に問えるということを、論理的に分かりやすく説明していく。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

coolflat

8
事故の刑事責任については二つの考え方がある。一つは既に起きた事があり、具体的、確実に予測ができる危険についてのみ責任を問えるとする考え方(具体的予見可能性説)で、もう一つは今までに起きた事がなく「未知の危険」であっても、起きる可能性が合理的に予測される危険については業務の性質によって責任を問えるとする考え方(危惧感説)だ。危惧感説なら原発事故の責任を問えるが、日本は具体的予見可能性説が圧倒的に支配し続けているのが現状で絶望的だ。だが光明はある。大飯差止判決、そして検察審査会による起訴は危惧感説に沿った形だ2015/08/01

skunk_c

5
元検事の弁護士と刑法学者が、業務上過失について、具体的予知可能性で判断する従来裁判ではなく、「危惧感説」により「万が一」の可能性であったとしても、それに対する備えを怠ったのなら刑事責任を問えるいう立場から、東電の重役達の刑事責任を問うべきとする。目的は個人の責任追求よりも。原因究明に必要との立場であり、一般常識に近い「危惧感説」は支持したいところだ。ただ、「無罪推定」の考え方とはやや馴染みにくいか。法理中心の議論で、被告達が果たしてどのくらいの認識があったかということについての掘り下げが足りない気がする。2015/04/23

河童

1
かつて地元住民による反原発訴訟がすべからく敗訴してきたという事実から、私は個人的に司法の独立を疑ってきました。国策のもと、司法は基本的人権や生存権など無視しているのだと。そこに政府の圧力や電力会社との癒着構造さえあるのではないかと、憶測すらしてしまっております。されどこの本の著者や、この本にでてくる故藤木英雄教授などの英知がこれからの司法に一筋の光明をもたらしてくれることを願っているのも事実です。福島原発の事故は良いきっかけになってくれるといいのですが。2015/04/09

寿里子

0
原発事故、人災なのに裁かれない。国策である原子力発電であるがゆえにこんなことにとあらためて思う。非常にわかりやすい本でした。多くの人に読んでほしい。2015/06/25

星辺気楽

0
私が思っている疑問にきちんと答えてくれました。 2015/03/23

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