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内容説明
誰もが知っているグリム童話やロシア民話、ピノッキオなどが、ロダーリ流の現代的なセンスとユーモアやアイロニーでよみがえる。表題作ほか「魔法の小太鼓」「哀れな幽霊たち」「星へ向かうタクシー」「旅する猫」など、それぞれ3つの結末を持つファンタジックで“読者参加型”の愉快な短篇20! あなたも独創的な結末を作ってみてはいかが。創作の悦びも味わえます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
81
読者参加型の創作系短篇集。読み始め、てっきり、ロダー二自身が三つの結末を書いたのかと思いきや、子供達が考えた結末から三つ、選んで載せたそうな。え~、他の結末も見たかった!でも誰もが知っている童話や民話っていうけど、日本では知らないものもあったぞ(笑)そして作り上げた結末が示しているのは作り手自身の考えや生き方なのかもしれません。個人的に「魔法の太鼓」は結末3、「砂漠にそびえる屋敷」は結末2が好き。そして「夜の声」は最近、ニュースを見たり、新聞を読むのが耐えられない私としては結末3が胸に突き刺さる。2016/11/16
sin
52
解説を読むまでなんて凡庸な結末を用意する作者だろう。想像の翼もありはしないと…読み違えておりました。なんと結末の部分は子供たちが考え出したものを3っつ[例]として付け足したものだそうです。子供たちに物語を素材として与えて、その感想ではなくその先を考えさせる…この試みはいろいろな場面で応用できるのではないでしょうか?ただし強要しないこと、創作が、または読書が楽しみではなく義務になってしまったら、そんな学校の勉強みたいなこと面白くありませんから、なにより創作も読書も自由が一番ですよね(笑)2015/02/10
財布にジャック
50
まさに読者参加型な短編集でした。結末が3つもあるだけでなく、4つ目の結末を自分で考えたくなりました。どこかで読んだような有名なお話もありましたが、ロダーリ風になっていたのでイメージが違いました。お話を創造する魅力に触れる事が出来て楽しかったです。2016/01/28
マリカ
34
20篇の創作童話にそれぞれ3パターンの結末が用意されていて、読者が好きな結末を選ぶって趣向。創作童話は、「ハーメルンの笛吹」など有名童話のパロディや、ロダーリならではのウィットが効いたお話が満載で楽しかった〜♪最後にそれぞれの結末についての作者の考えと、オススメの結末が掲載されています。私が選んだ結末は作者が選んだものとほとんど同じでした。う〜ん、なんか作者の手のひらの上で転がされた気分がして複雑だなぁ。2012/07/13
Y2K☮
33
ユーモアに富んだ20の短編ファンタジー。各々に結末が3パターン用意されていて、巻末に著者の好みも書かれている。6割は自分のチョイスと被ってた。ラジオ番組の企画で子どもたちと話し合って考えた話が元ネタらしい。そのせいか、この種の短編にありがちなシニカルな色は抑え気味。とはいえ決して道徳的な結末ばかりではない。そりゃそうだ、人間だもの(笑) 多少曲がっている位がちょうどいい。好きな話は「ポケットの百リラ」。自分ならこうするというラストが漠然と頭にある。気軽に物語を作れる場が大人にも子どもにももっとあっていい。2015/06/27