内容説明
“天魔”は跳び“屍蝋”は滴る。怪異が其処に……。刀城言耶、揺籃の時代。奇っ怪な分身、“生霊”の目撃談が語り継がれる奥多摩の旧家、谷生家。それが現れるとき、当人に死の影が指すと恐れられる謎の現象である。同家を訪れた刀城言耶は、そこで不可解な復員兵の死に遭遇するのだが……。表題作他、全五編を収録した“学生時代の事件簿”と言うべき“刀城言耶”シリーズ第二短編集。
目次
死霊の如き歩くもの
天魔の如き跳ぶもの
屍蝋の如き滴るもの
生霊の如き重るもの
顔無の如き攫うもの
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobby
124
刀城言耶シリーズ7作目は学生時代を描く短編集。死霊・天魔・屍蠟・生霊・顔無と5つのタイトルに並ぶ怪異が何とも想像しやすくて魅力的!名探偵と謳われて奇っ怪な話に巻き込まれるのは気の毒ながら「な、な、何だってぇ!?」と自ら異様に興奮して未知の物の怪にのめり込むのは自業自得か...各話ともに怪談話から実証に向かう展開に一気に引き込まれる。ただ、短編故にミステリに偏るのは物足りない。これでもかと引っ掻き回して犯人に至るのは嫌いじゃないけど(笑)それにしてもクロさんこと阿武隈川烏のキャラってこんなに強烈だったかな?2022/11/05
紅はこべ
113
1人多重解決が揃っている。足跡ものが3作続く。表題作が最も面白かった。ドッペルゲンガーといえば、私が真っ先に思い浮かぶのが芥川の「歯車」。依頼人の名前が龍之介なのも、それを意識してか?阿武隈川先輩大暴れの巻。2017/06/16
オフィーリア
71
刀城言耶シリーズ短編集。刀城言耶が学生時代のお話。この頃から怪異に異常に喰いつく性格や試行錯誤を繰り返す推理スタイルは健在です。短編でありながら、ホラー描写あり、足跡の密室ありとよく盛り込めたものだなと。とはいえ、作者様の最大の魅力(と私が勝手に思ってる)である徹底的に舞台を深掘りした民俗学的な恐怖を描くには短編ではなく長編の方が向いているのかなとも思ったり。知らない家の鍋に勝手に参加して食い散らかした挙句、後日あの人誰だったの…?と言われてる阿武隈川烏先輩が一番の怪異でした。2022/04/10
koma-inu
52
刀城言耶シリーズ短編第2弾。学生時代の言耶が活躍する5編。どれもホラー、多重解決、ピーキーなトリックとがバランス取れている良作。シリーズ初心者にオススメです。イチオシは「天魔の如き跳ぶもの」ある裏庭で起きた足跡消失と人間消失の謎を追う。トリックはバカミスで実現性が怪しいですが、裏庭の環境の使い方が上手いです。本書は阿武隈川先輩が登場しますが、特に本作の傍若無人ぷりがユニーク。誇張表現やセコさがとても面白い、実際にこの人が先輩なら大変です😂2024/05/18
きっしぃ
45
5編の短編集。刀城言耶が学生時代のエピソード。死霊、天魔、屍蝋、生霊、顔無。足跡トリックや人体消失など、似たものが多くて、短編はやっぱりミステリー色が濃いので、物足りなかった。ベストは、表題作『生霊の如き重るもの』。特定の家に現れるドッペルゲンガーと、戦争から帰ってきた二人はどちらが本物?偽物?手元には『幽女~』の残り一冊。もうちょっと寝かせておこう。2020/05/13
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