8時15分 - ヒロシマで生きぬいて許す心

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8時15分 - ヒロシマで生きぬいて許す心

  • 著者名:美甘章子
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • 講談社エディトリアル(2015/04発売)
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  • ISBN:9784907514082

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内容説明

1945年8月6日午前8時15分、広島上空でピカドン=原子爆弾が炸裂した。そのとき1キロほどの至近距離で被爆し、瀕死の重傷を負った父子は、地獄絵さながらの街をさまよい歩く。あまりの辛さに死を待ち望む気持ちにさえなる19歳の息子を、60歳を超えた父は、「お前はまだ若すぎる。どんなに痛みがひどくても、その年で死ぬことはできん」と叱咤し、激励する。
まもなく父は死に、息子は生き延びる。怒りと絶望のさなかにも、〈恨み〉ではなく〈許す〉心を見出して――。
本書は、生き延びた息子・進示(しんじ)を父に持つ著者が、その壮絶な歩みを聞き取り、〈共感〉という新たな視点から原爆体験を問い直した貴重なドキュメントである。そこには、世界とつながり、平和を継承する若者たちへの強いメッセージが込められている。現在アメリカのサンディエゴに暮らす著者は、昨年、英語版も発行している。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アルピニア

59
75回目の終戦の月に。著者の父「進示」の体験を進示の視線で綴ったもの。爆心から800mで被爆し、重度の火傷を負いながらも生き延びた進示。被爆後、父(著者の祖父)と歩いた3日間、その後陸軍病院に入ってからの様子は読んでいて鳥肌が立つほどの酷さだ。しかし、その体験は淡々と記されている。進示が痛感したのはむしろ人間の恐ろしさと温かさ。「戦慄と絶望しかない悲惨な状況で人間は善と悪のどちらに転がるのか?」戦争というよりも、極限状態に置かれた人間の姿を描き、そこから何を学び、自分はどう生きるのかを問う本だと感じた。→2020/08/06

20
私の中では現時点で今年一番読んで良かった本。著者が、幼い頃から聞いていた父親の被爆体験談を父親の言葉で語った形の手記。その様子が簡単に想像できるほどに描写が細かく、凄まじい。原爆の惨さはもちろんだが、人間の底力をとても感じた。投下後60年は草木も生えないだろうと言われていた原子爆弾。その予想を遥かにこえて広島は復活した。生死の狭間にありながらも生きようとする人たちには原爆だって敵わなかったのだと思いたい。ぬるま湯に浸かった状態の自分が情けなくなる。2015/06/14

ジキル・ハイド

17
広島の人間じゃったら誰もが知っとる。昭和20年8月6日8時15分、忘れられんのんよ。是非、いろんな人に読んで欲しい本じゃけど、広島以外じゃったら書店や図書館に無い場合もようけあるじゃろう。キーワードは「許す心」、これから戦争を無くす為にも共感し許さにゃならんのじゃ。僕の経営する喫茶店は爆心地から100mくらいの所にあります。広島に来る事があったら寄って下さい。勿論、それより先に原爆資料館へ行って下さい。この本には、みんなに知って欲しい事が書かれとるけん。読んでみて下さい。2014/09/29

まる子

13
美甘章子さんが「何十年もの間語りたかった多くの命についての物語」。そして2021年夏に映画化される(?)。父・進示が経験した広島県での被爆体験のノンフィクション。父は「怒りや憤りや恨みの鎖につながれた被害者として生きるよりも、この経験を生かして人間性をよりよく理解し、世の中に貢献しようとする道を選んだのでした。」と言われるように、章子さんは「許す心」を持った父の意思を受け継ぎ、平和な世界であるためのヴィジョンを持ち続ける方。原爆を投下したアメリカを当事者なら誰もが憎む相手。進示さんの心は計り知れない。2021/08/12

みみぽん

11
8月15日。広島で被爆。全身に火傷をおいながら、父と共に3日間。治療と休息の場を探し求め歩き続け、生き残った美甘進示さんの正真正銘のノンフィクションです。この壮絶さは体験している人でなければ記せない。想像を超える激痛。歩く火の中。息絶える人たち。父母、兄も戦死。彼は幾度も号泣します。けれど彼は生命力、人の絆、そして運の強さで生き抜いた。体育館の冷たい床下。床ずれ。そんなとき彼に座布団を運んでくれた女性が観音様に思えたといいます。たった1枚の座布団の尊さ。温かさ。戦争は絶体にあってはならない。心から痛感です2021/08/16

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