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内容説明
島根県出身の細菌学者・秦佐八郎(1873~1938)。難病だった梅毒の特効薬「サルバルサン」(世界初の抗生物質)を、ドイツのエールリッヒと共に開発し、多くの人命を救った男である。その佐八郎の人生を、現代の感染症界のエース・岩田健太郎がノンフィクション・ノベルとして描きだす。研究とは何か、科学の才能とは、実験、競争、虚栄心と嫉妬、エリートのプライドと劣等感、研究倫理……現代に通ずるテーマとして問いかける。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふろんた2.0
20
まさかのノンフィクション・ノベル。リアリティを出すための小説であれば良かったのだが、途中から何でこの人が?っていうのが出てきて、ノンフィクションの部分から徐々に乖離してきたような。2015/04/07
モモのすけ
8
「『他人の視線』を一切気にしなくなると、とても生きているのが楽になるのよ。解放されるわ。自由に生きるとは、他人の視線から自由になるということなのよ」2015/04/14
ネコタ
6
世界初の抗生物質を作った秦佐八郎の伝記のようなものだけども史実を基にした小説なので、実際にはなかった場面・会話・登場人物などもある。ドイツ留学後のサルバルサン「戦」記と生い立ちからの「前」記が交互にでてくる。ドイツで会った女性の話がどこまで事実か気になる。2015/04/15
mochizo
4
基本は秦佐八郎さんの自伝なのですが、所々今の日本を憂いている表現を当時じゃ考えられない表現で描いています。例えば、実際にはない秦佐八郎さんと、石川啄木との会話とか。雰囲気的には「風立ちぬ」ですかね。日本が頑張って欧米に追いついたのはいいけど、その後どこに舵を切ればいいの?という感じがよくわかります。科学者という立場ではなく、明治時代の本当の指導者が感じた物語として読んでみてはいかがでしょうか。2015/05/04
無謀庵
3
実は佐藤健太郎と勘違いして買ってアレっと思い、読み始めたら小説でさらにアレっと。正直にいって、伝記小説としてはフィクション部分が雑すぎて、読み物としては出来の悪さが目につき、史実を知るための伝記としては史実がどこまでかわかりにくい上に情報量が目減りしてる感じか。もっと思い切ったフィクションか、もっとリアルに沿った伝記に振るべきだったように思える。2015/04/08