講談社文庫<br> 不妊治療と出生前診断 温かな手で

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講談社文庫
不妊治療と出生前診断 温かな手で

  • ISBN:9784062930253

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内容説明

晩婚化に伴い、激増する不妊治療の実態と、これに並行して進化を続ける出生前診断の実情を取材。技術が進歩し選択肢が増えたことで、より悩みを深める夫婦の姿をありのままに描き、大きな反響と共感を呼んだ。信濃毎日新聞に連載され、「新聞協会賞」を受賞した傑作ルポ、待望の書籍化!<文庫オリジナル>

目次

プロローグ
第1部 出産の重圧 他人の精子に望み託す
第2部 迫られる決断 海渡る血液 胎児を診断
第3部 戸惑う医療者 新技術導入 立ち止まる
第4部 最先端の国から 世界中から集まる血液
第5部 障害と向き合う 産む選択と産まない選択
第6部 やわらかな家族 血のつながりなくても
第7部 決断のために 「知ること」が第一歩
エピローグ
おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆき

10
内容はとても濃かった。良本。不妊治療は出来るだけ早期に行くべきだ。35歳の妊娠率は18%で40歳だと5%と落る。染色体異常率が上がって、結局流産率が上がってしまう。治療しても宝くじに当たるようなものになっているという現状。みんなの苦しみや悲しみが詰まってる。2015/09/18

masa

3
小さな本だけど内容はかなり濃い一冊。日本で激増している不妊治療の実態と出生前診断の現状についてのルポ。出生前診断の是非については単純に語れないが、医療技術の進歩はこれまで考えられなかったことを少しずつ可能にしている。出生前診断の結果を聞いて、出産の決断に迷う夫婦の深い悩みやダウン症の子供の育児に取り組む夫婦の現実。また、子供に恵まれなかった夫婦が選ぶ別の道。いろいろな夫婦の形と家族の形を問いかける考えさせられる一冊。技術的先進国である米国の動きも興味深い。2015/10/13

Ikuto Nagura

3
我が子が産まれるまでの色んな一喜一憂を思い出す。結婚してから妻が身籠るまでの半年位でも、周囲から時候の挨拶代わりに「お子さんまだ?」なんて声を掛けられたのは、結構なプレッシャーだった。出産までの検診で、見えない胎児の成長やわずかな異変を知らされるのも、ハラハラの連続だった。生命の誕生は、未来への希望と、未知なるものへの畏怖が詰まった一世一代の大事件だった。まして不妊治療や高齢出産による障害なんていう要素が加味されれば、その重さに押し潰されそうだ。医療の進歩はその重圧を緩和するか、新たな重圧を生み出すのか。2015/07/26

井ノ上満幸

2
表紙の写真で買ってしまったけど中身は結構ずっしりきました。地方新聞社の取材ですがとてもしっかり作られています。出生前診断って最近話題になっていますが実態はあまり知られていないのでは。そのせいか出生前診断で異常がわかると9割の人が中絶を選択していることに驚きました。不妊治療の果て子どもを授かり、出生前診断で異常がわかるケースもありやっと授かった子どもをどうするのかという選択もケースとして紹介されていました。子どもは望まない、障害を受け入れる、別の選択をするケース等色々紹介されておりぜひ読んでもらいたい。2015/04/12

うたまる

1
「親の一存で人工妊娠中絶を選ぶのが”身勝手”だとすれば、子に身体的負担を強いるかもしれないのに産むこともまた”身勝手”じゃないのか」……不妊治療と出生前診断についての新聞連載を纏めたルポルタージュ。テーマが多岐に亘る中、最も胸がザワザワしたのは出生前診断だ。胎児に障害があると分かった上で、妊婦に産むか堕ろすかの判断を迫るとは何とも酷な話。この自然に反した行為を「医療技術は全てそうだ」と、抜け抜けとほざくアメリカ企業が腹立たしい。本来喜ぶべき「選択肢」という言葉が、ここではなんて冷たく乾いて聞こえることか。2016/12/02

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