講談社文庫<br> 道化師の蝶

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講談社文庫
道化師の蝶

  • 著者名:円城塔【著】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 講談社(2015/04発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062930079

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内容説明

無活用ラテン語で書かれた小説『猫の下で読むに限る』で道化師と名指された実業家のエイブラムス氏。その作者である友幸友幸は、エイブラムス氏の潤沢な資金と人員を投入した追跡をよそに転居を繰り返し、現地の言葉で書かれた原稿を残してゆく。幾重にも織り上げられた言語をめぐる物語。〈芥川賞受賞作〉

目次

道化師の蝶
松ノ枝の記

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

absinthe

181
途方もない分からなさと心地よさ。嫌われるのも無理はない。2回の読了で作品の印象は反対になった。初回は何のことかわからず完全に置いてきぼりにされたが、再読してやっと構造が見えてきた。言葉の持つ心地よさは伝わってきたが、言葉の奔流に押し流されてしまった。初回で諦めないで良かった。absintheの中では分類不能にカテゴライズ。既視感のなさは半端ではない。読んだ直後にもう一回読んでも既視感が無い程だ。何かの類型に当て嵌めようとするのは無駄かも知れない。2021/05/09

k5

78
スタニスワフ・レムかカート・ヴォネガットを思わせる導入でグッと掴まれるのですが、そのあとのグリップ力が弱いんだよなあ。途中で飽きて酒呑んじゃって、分からないのが余計分からなくなるという。なお自分としては芥川賞受賞の表題作より、カップリングの「松ノ枝の記」の方が持続力高く読めました。2020/09/16

ω

62
2012年芥川賞ω こりゃ物理学出身というの納得❗️むっずー。私も理系だけど物理専攻の人だけは脳みその作り違うと思う笑 ふわふわとあちこち舞う蝶になれます。文字を漂いたい方はぜひ。2021/10/04

KAZOO

55
円城塔さんの芥川賞受賞作です。円城さんの小説は何冊か読んでいるのですが(伊藤計劃さんとの共著も含めて)、今までのイメージをまるっきり変えてしまうものでした。私にとってはここに収められている2作ともに教養小説のような感じで読ませてもらいました。短篇ですが中味は結構広がりがあると感じます。2015/01/29

絹恵

54
言葉の海で人間に自由が与えられたのだとしたら、それは言葉を手放すことなのかもしれません。でも言葉を失えば、心は決壊して、海を渡ることは出来ないのだと思います。声にならなくても、それでも私たちには言葉があるから、会いたい人に会いに行くことが出来て、留まって刻まれた歴史を知ることが出来て、そして大切な人と歴史を重ねることが出来ます。それこそが自ら掴んだ自由なら、言葉に囚われるのではなく、また言葉を手放すわけではなく、これは言葉を超えるためのはじめの飛翔でした。物語に収められた言葉に揺さぶられました。2015/01/25

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