問題解決のジレンマ―イグノランスマネジメント:無知の力

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問題解決のジレンマ―イグノランスマネジメント:無知の力

  • 著者名:細谷功【著】
  • 価格 ¥1,408(本体¥1,280)
  • 東洋経済新報社(2015/04発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784492557419

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内容説明

思考の限界を超えよう!
巨人ピーター・ドラッカーが最後に挑もうとした「無知の活用法」

ピーター・ドラッカーは亡くなる約2年前のインタビューで、「書き残したテーマがあるとしたら?」という質問に対して
「無知(イグノランス)のマネジメントだ。もし書いていたら、私の最高傑作になっただろう」と語っている。

ソクラテスは「自分がいかに知らないかを知る」=「無知の知」を唱えた。

本書は、ソクラテスとドラッカーが唱えた「無知」に着目して、
「無知」に気づき、「無知」を活用する「問題発見」のための思考法を体系化している。

「知識量で勝負すること」や「与えられた問題を解くこと」は、もはや人間が取り組む問題ではなくなってきている。
人間が集中すべき課題は、新しい問題を発見し、定義する(広義)の問題解決の「上流部分」にシフトしている。
「下流」の問題解決と「上流」の問題発見では、必要な着眼点も価値観もスキルも異なる。

本書では、「アリとキリギリス」のアナロジーによって、問題解決型と問題発見型の2つの思考回路を対比し、
その対立構造を明らかにしている。

アリとキリギリスが共存共栄できる道はないのか。

キリギリスのように「跳んで考える」ためにはどうしたらいいのか。

「問題発見のための思考回路」を理解し、「無知・未知」を意識することで、「常識や壁」を打ち破る発想が生まれる。
すなわち、キリギリスのように新しいフロンティアに向かって、高く跳び立つこともできるようになる。

【主要目次】
PART1 「知」と「無知・未知」~その構造を明らかにする
 「知らないことすら知らない」=「未知の未知」という死角
 「知」は事実と解釈の組み合わせ
 「無知・未知」を考えるためのフレームワーク
 既知と未知との不可逆的サイクル
 ソクラテスとドラッカーが唱えた「無知」の二つの視点

PART2 「問題解決」のジレンマ~「問題解決」できる人は「問題発見」ができない
 「知(識)の」ジレンマ
 「閉じた系」のジレンマ
 「問題解決」のジレンマ

PART3 「アリの思考」vs.「キリギリスの思考」~問題解決から問題発見へ
 「アリの思考」と「キリギリスの思考」の違い
 「ストック」から「フロー」へ
 「閉じた系」から「開いた系」へ
 「固定次元」から「可変次元」へ
 「特異点」からの問題発見法
 アリとキリギリスは共存共栄できないのか

PART4 問題発見のための「メタ思考法」~次元を上げて問題を発見する
 上位概念と下位概念
 「抽象化・アナロジー」で次元を上げる
 思考の「軸」で次元を上げる
 「Why(上位目的)」で次元を上げる
 「メタ思考法」を活用するために

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Miyoshi Hirotaka

13
空を飛びたい夢を叶えるため、鳥を真似る、人力と下り坂を使う、空気より軽いものを利用する時代が長く続いた。これらは間違いだと気づいたリリエンタールとライト兄弟により飛行機は飛躍的に発展し、現在に至っている。似たようなことは、私達に身近な組織の中でも起きている。問題解決ができる人には問題発見ができない。一方、問題解決には多くの資源が投入されるので、長期的にはそれらが無駄になるジレンマが生じる。これを避けるためには、問題発見の思考回路を理解し、無知、未知を意識することで常識の壁を打ち破る発想を生むべきなのだ。2018/11/13

Koichiro Minematsu

12
問題解決を効率的に行う「知識」「専門家」「ストック」「閉じた系」「固定次元」これらのキーワードは、問題発見の世界ではマイナスに働いてしまう。これが問題解決のジレンマであり、そのためには、気づき、メタ認知で対処する。2017/01/16

アルカリオン

9
ラムズフェルド国防長官が記者会見で語ったのが「既知の既知・既知の未知・未知の未知」の3分類。卑近な具体例に置き換えると、職場で上司が「もっと斬新なアイデアを持ってこい」と言っておきながら、提出されたアイデアに対して「他社もやっているのか?」とか「時期尚早だ」とコメントすることがある。この上司が言う「斬新な」は「既知の未知」領域の話でしかなく、上司自身がそれに気づいていない。部下が提案したのは(その上司にとっては)「未知の未知」領域の話▼三つの領域の範囲は人によって異なる。2024/12/08

ちーくん

5
具体と抽象もそうですが、著者の細谷さんは、物事に対して横や縦の空間的な把握能力が非常に高い!読んでいて非常に納得感があります。『二項対立とは、あくまでも「対立軸」を明確にするということで、それは必ずしも「すべてが二通りに分類される」ことは意味しないが、二者択一という発想はすべてのものが二通りに分類されるという発想である』この部分は「それだ!」ってなりました!極端な発想をしてしまう人は、二項対立ではなく二者択一思考なんですね…!2025/01/26

ninn.atsu

5
問題解決型の人材は、往々にして問題発見ができないというジレンマについて、徹底的に考察した本になります。ある意味、哲学的というか、深い考察をもとに書かれているので、人によってこの本が面白いと感じるかどうかはわかりません(難しいと感じる人は改めて時間をおいて読んでみると新しい発見がある奥深い本)。既知と未知の関係、知識とは何か、思考停止とはどういう状態なのか、抽象化と具体化がどういう関係なのか、みたいなことが見事に言語化されているので、小難しいことを考えるのが好きな人にはかなり面白いと思います。2020/07/01

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