内容説明
海外研修の留守中に妻を殺された警視庁警部の舞坂正路は、職を辞し姿見えぬ犯人への復讐を誓う。木枯らし吹きすさぶころだった。事件前に北海道の実家に帰省していた妻は十月十日の夜ひとりで船を出していた。また同夜、近くをドライブ中に道警の三勢警視正が転落死していたことも判明した。この暗合を追う舞坂は、恐るべき謀略をもくろむ巨大な組織とその陰にひそむ不吉な血筋の存在を知った。舞坂は、ついに、夥しい死を運んだ呪われた血脈の遡及を始めるのだが――。本格ハード・サスペンス巨編!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Schunag
7
妻を惨殺された刑事が復讐に燃えて敵を追う、というストーリーは『往きてまた還らず』『牙城を撃て』『帰らざる復讐者』などなど独特の暗鬱な熱をうねらす70年代寿行の暴虐ノワールを思わせるが、本書発表は1987年、かつてなら濃密に描くだろうパートも書き込みすぎず、全体の尺も短く、飄々としたユーモアを醸すこともあって軽快。不可解な死が連続し、そこに暗躍する公安警察、という序盤の展開は非常に面白く、複数勢力の意図と謀略が錯綜する「真相」はレン・デイトンあたりと肩を並べるのではあるまいか。2024/07/14
ガトリング邪教徒(女)
1
「血の翳り」と同じく呪われた血がテーマですが、くどすぎてとても追い切れない家系図がなくて、珍しくライトな味わいでした。猫を連れて妻の仇討ち、植物に託す復讐、女殺し屋の悲哀など感傷的ですらあります。ラストもハッピーエンドと呼べるし、いい話でした。「血の翳り」は懐かしの女性向けエロ雑誌「微笑」に連載されていたそうなので、それを踏襲したのかなあと思いました。性交奴隷や男根さまが無理な人にお勧め。2022/06/10
つきのわ
0
警視庁警部の舞阪は海外研修中に妻を殺された。妻を殺害した犯人の足取りを追ううちに同夜道警の夫婦も深夜のドライブ中に殺害されていた事を知る。その謎を追う舞阪は国家の謀略と名門と言われている一族の裏の黒い血を持つと言われている犯罪者を多く出す一族の存在を知る。カリカック家、ジューク一族という呪われた血を持つ犯罪一家を知った本だった。2017/04/24
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