内容説明
十七歳の少女・蓮華は、大切な人たちを奪った『鬼』に復讐するための旅に出る。それこそが、残された蓮華にとって唯一の生きる意味だった。だが、鬼の行方を捜す道中、同じ目的を持った青年・出雲と出会う。軟派で軽薄、なのに蓮華の深淵を衝いてくる出雲と接するうち、閉じていたはずの蓮華の心がかき乱されてしまい!? この想いは捨てなきゃいけない……!! 宿命が織りなす和風幻想譚！
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いわいわし
10
ここ数年当たり外れのある作者様。特に「残念」と項垂れてしまうのはビーズログ文庫の作品で、今回はどうなのかしらと恐る恐る購入。独創的な世界観を細部まできっちり作り込むタイプの作者様なので、最初から長期シリーズとして売り出してもらった方が絶対に面白くなると思います。落丁かと疑うくらい大事な過程がすっぽりと抜け落ちた構成。ヒーローの心情が全く見えてこないまま読了してしまい、呆然としました。この内容を3、4冊に分けてじっくり熟成させたらきっと楽しめたはず。本巻が長期シリーズの序章であることを願います。2015/03/20
白黒杏仁
9
「復讐しかなかった。でも恋をした」帯にこんな感じで書かれてたけど、読み終わって思ったことは恋はこれからだ！だった。最初の蓮華たちの里の話があっさりしてたためか里を家族を喪った重みが、ちょっと弱かったかな。４人で旅をしている辺りが面白かった。最後の戦いは唐突に感じたがけりをつけるには、あの展開しかないと思う。鳥羽がお気に入り。重ねて言う恋愛要素は薄い。2015/04/16
莉芳
8
浅沙はきっと生きている！と思ってたのに違った(笑) 鳥羽ー！可愛かったのに！！o(*≧д≦)o″蓮華と一緒に泣いてるシーンが好きでした。出雲の蓮華を好きになった流れがよくわからなかったなー。重要なシーンも大体が誰かの回想で終わってしまって駆け足感が強かった。鳥羽…！助かると思ってたのにー！(T_T)2015/08/02
ばなな豆乳
6
面白かった。 のですが、一番面白かったのはあらすじだったので、もっと盛り上げ方があった気がしなくもないです。蓮華の鬼への復讐譚をメインに据えて、恋愛はもっとじれじれに進んでさあ次巻！ のほうがよかったのでは？ 焦れ恋が好きな個人的な感想ですが2015/03/19
かや
6
瑞山先生の初和風ファンタジーということで凄く楽しみにしてた。想像してた以上に蓮華が格好いい女の子だった。泣いたし、胸が痛くなるようなところもあったけど、復讐だけだった蓮華が出雲と鳥羽と旅をすることになって心を動かされていくのに、きゅんとして感動した。鳥羽と蓮華のあの言葉や出雲が英済に向けたあの言葉が深く心に残っている。藤ニの世話焼きっぷりにほっこりした。最後の展開が予想外過ぎて、ちょこっと辛くてまだ消化できていないけど、本当に良い物語だったな。2015/03/15
