内容説明
《対人関係療法でなおすシリーズ》の3冊目。「双極性障害」(=「躁うつ病」)とは、気分の高揚とうつ状態とが繰り返し訪れる病気である。単極性のうつ病と誤診されたためにうつがなかなか治らなかったり、病気ではなく性格の問題だとされて、きちんとした治療を受けられずに何年も過ごしている患者さんも多い。また、きちんと診断されても、これまでは薬物療法しか有効な治療法がなかった。本書では、「対人関係」と「社会リズム」という、この病気を発症させる二つの大きな要因に焦点を当てて、薬物療法以外に、自分自身でコントロール可能な方法を日本で初めて紹介する。
目次
第1部 双極性障害を患うということ(双極性障害という病 双極性障害と社会リズム)
第2部 対人関係・社会リズム療法(IPSRT)の進め方(対人関係・社会リズム療法とは 社会リズム療法 対人関係療法 双極性障害対策チームを作る)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
里季
43
投薬治療の他に対人関係からのアプローチで治療する方法。 この本を読んで改めて「双極性障害」は、一生涯付き合わなければならない病気との認識を得た。2020/06/24
しょうじ@創作「熾火」執筆中。
35
【1回目】基本的には薬物療法を必要とするものの、一生薬を飲み続けなければならない双極性障害だが、薬だけではカバーしきれない部分がある。それは、社会リズム(生活リズムと言い換えてもいい)と、対人関係という資産の毀損である。それを「補う」のが、この対人関係療法だという。これの基本となるのは、SRM(ソーシャル・リズム・メトリック)と言われる生活リズム+ストレスの強度の把握である。これを通じて、対人関係(=役割期待)を改善してく。つまりは、自分の状態を知り、躁やうつのエピソードの発現を軽減させようというものだ。2018/06/11
のぶのぶ
29
大切な人を亡くすこと、社会リズムは相手に合わせているので、いなくなると大きく崩れる。「葬儀躁病」本来は悲しいけれど、葬儀で躁になってしまう人。「健康な自分」を失くす悲哀。私の場合は脊柱管狭窄症発症。この1年半、3つ押し寄せ、ジェットコースターだった。救いは、「役割期待のずれ」を上司が寄り添って考えてくれたり、道に迷っている(遭難状態)自分に希望の灯りを灯してくれたりした。病気への理解も必要で、「病気になったことと病気の発症は、本人の責任下にない。」は心が安心した。何とかなるだろうと思えるところまできた。2025/03/11
Taka
11
読みやすくて実践したい内容。社会リズム療法がとても参考になった。最近自己管理として寝る・起きるなどの「時間」、「気分」を毎日記録しているのだが、社会リズム療法ではそれに加えて「どれだけ人と接したか」「刺激の大きさ」も記録する。これを視覚化することで、なるべく規則的な生活にするのと、ちょっと刺激が大きいものでもどれぐらいまでなら許容できるか見極めることができるというメリットがある。今休職中だけど、復職に向けて自分にある程度刺激を与えて許容量を知っておく必要があるかも。2016/08/27
fonfon
10
アメリカで流行るHOWTO本の如きさばさばと陽気な空気が通奏低音としてありながら目配り気配りの効いた良書。双極性障害の当事者及び家族でなくても、かなり役立つ本じゃないかしら?睡眠の乱れ等でやすやすと変調をおこしてしまう可能性がある「無理がきかない」双極性障害の当事者は社会的に「不便」だけれど、「無理がきく」ことが果たして生物として自然かどうか、「無理をきかせる」ことが現代社会の異常さであり「無理がきかない」のは生物としての自然な叫び、と考えれば、双極性障害から学ぶことは多々ありスローライフにつながる、と。2012/01/15
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