内容説明
【第22回すばる文学賞受賞作】男を抱くことはできても、愛せない。女を愛していても、抱き合うことをおそれてしまう――。年下の友人・留美に対する同性愛の欲望を意識しながらも、中年の建築家・小田との官能と友愛に充ちた関係に癒しと安らぎをおぼえるヒロイン・カナ。しかし留守中の留美の不在に、カナの秘めた想いは次第に募るのだった……。新感覚の性愛を鮮烈に描いた恋愛小説の傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
19
すばる文学賞受賞作だそうで・・・刷毛で体をなぞるような、鳥肌のたつゾワゾワ感。このゾワゾワ感がカナが留美を求める興奮の高ぶりに近いのかもしれない。実際にはまだまだ自分の妄想の中でしかないけれど。今までに読んだ事がないような展開・・・カナと留美の関係もあとは読者の思いのまま・・・こういうラストもおもしろいかも。それにしても、舞台が山形・・・。山形弁でこの物語が進んだらどんな風になるんだろう・・・なんてイジワルな事を想像し、自分の中では山形弁で読み進めてしまって・・・エッチ度はどこかに吹っ飛んでしまった。2010/08/21
そばかす♪
15
第２２回すばる文学賞受賞作というので読んでみた。主人公カナの心情が美しい描写で綴られて行く同性愛をテーマ（？）にした物語。同性を愛することの理由付けを、あの手この手で説明する感じがくどいかな。年上男性の恋人とも関係を持ちながら、自分の心に踏ん切りを付けて、好きな彼女の所へ出掛けて行った所で終わります。文章の美しさには惹かれるけれど...何も失くしたくないカナの行動が、今ひとつ納得ゆかず。スッキリしないお話でした。2014/04/20
ゆん
9
なんというか大人向けの本だなぁと思いました。 同性愛をテーマにしつつ、本人には向けられない劣情を抱きながら男性と行為を重ねる主人公。果たしてこれは同性愛がテーマなのか……？？表現の一つとして読む勉強にはなるので見ましたが、まぁあえて読まなくとも……っていうなんの参考にもならない感想です。2022/11/22
わんこ
5
こういう文章と雰囲気はあんまり好きじゃないやつ。いい言葉は色々とあったけど。2015/11/18
ゆっ
5
同性に恋をしている主人公の女性。だけど、男友達と普通に寝ちゃってます。友達以上の深い関係だと言うことらしいけど、うーん…その意味がよくわからん。性描写がちょっと苦手なだったのもあって、最後まで共感出来ませんでした。純愛風官能的な小説って括りじゃ例えが悪いかな？2014/03/12
