内容説明
養生は人生の“質”を決める――。健康を失えば、一挙に下流へ転落しかねない。そんな超高齢大国日本で生き抜くための心と体を整える珠玉のエッセイ!
【目次】
第一章 生
生きることはストレスである
「ため息」も感情の一種 ほか
第二章 養生
吸うことより吐くことが大事
呼吸で末端を生き生きとさせる ほか
第三章 病
がん問題はボーダーレス
医学界の言葉遣いに抱く違和感 ほか
第四章 老
老化を素直に受け入れる
寿命にも“程”がある ほか
第五章 死
寝る前と起きる前に死を考える
がんは「死ぬまでの用意ができる病気」ととらえる ほか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
35
養生とは、人生を豊かにし、活気づける技法(11頁)。市民の権利を守るためには、専門の領域にも自分たちが関与しなければいけません(24頁)。気が病むため病気という。体だけ病むなら病体(42頁)。頭皮を動かして、潤いがあればフケが出ません(75頁)。五木先生の養生法は、気休め、骨休め、箸休めの3つ(84頁)。速く息をする動物は短命(88頁)。80過ぎても自前の歯という人は、意外にも、真っ黄色に歯垢がこびりついている(107頁)。2016/02/16
Kei
23
ストレスとは、外部から与えられる困難な状況ではなく、それを受け止める側の違和感です。うーん、たしかに。と、いうように、漠然と理解している事柄を明確に言語化してもらえる箇所が、一カ所でもあると、なんとなく充実感。(笑)最近、自身の本の読み方が寛容になってきました。2015/06/25
ノンケ女医長
17
著者は82歳。両親と弟さんを、若い頃に亡くされたこともあってか、身体の変化や死に対しての達観されている。気圧の変化で体調が思わしくなくなり、20年かけてようやく調節できるようになったようだ。老いを受け入れることの重要さや、60歳を過ぎてから人生が面白くなったとの意見は、実に興味深い。分からないのが、「医療の問題は医師自身の問題」で、「患者に向かってありがとうと合掌してから診療してもいいくらいではないでしょうか」へと至る。ごめんなさい、著者の想像する医療と、実際との乖離は大きすぎ、言葉がない。2023/07/15
104ちゃん
5
こんなふうに生きられたらいいなと思いました。昔読んだ小説の作家としてのイメージと違っていました。「人間はみな死のキャリア」という言葉に、はっとさせられました。2018/01/02
からし
4
人間はみんな死のキャリア。確かに。発症しなかった人はいない。この本のように老いや死を捉えられたらな。でも、自然に任せられるのはだいぶ先なんだろうな。2017/04/11
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