内容説明
第10回雪梁舎俳句大賞受賞!
◆ 第一句集
序・池田澄子
俳句甲子園で最優秀賞を得た、いわば記念碑的な「夕立の一粒源氏物語」を、文香はこの第一句集を編む時点で捨てた。見事な根性である。そして確かに句集の作はその句を超えている。この健気を以て更に、俳句形式を悦ばせる俳人になっていくだろう。大変なライバルの出現である。
言葉そのものへの興味、言葉をつかうことへの興味は、
俳句という形式の中で増幅する。
語の持つ音や文字の形のおもしろさ、
言葉の負う背景、言葉同士のふれあいに気づき、感じる。
私は俳句を選んだ。
つかう言葉のひとつひとつを思い遣ることができる。
(あとがき)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はち
3
今日高松のジュンク堂にて購入。大学時代くらいの作品だと思うのだけれど、すでに完成されている俳句。俳句に私はいない、と思っていたが、うっすらとでもここには私の姿が見える。美しい言葉たち。2015/11/27
際皮
1
句集。<あけがたの詩集に頁毎の冷え><標本へ夏蝶は水抜かれゆく><スケートの靴熱きまま仕舞はるる>など、正統派で格調高い句が多い。2021/09/18
空の落下地点。
0
なんか自分が恥ずかしくなって、どうしていいか分からなくなる、著者と同じ病気だけに。今やってるオリンピックの対極。緋目高の裏に当たり前に目があると思わないこと。暗室の時計、しまわれてこれから冷えるスケート靴。それから、時系列にして3階の位置から見る戦争。裏側とか、時間を経て変わるもの。その手触りとの距離感。地図を閉じて蜩の鳴く方に進む、あと迷う勇気やその運命に敬意を評しての自棄というか。一番好きだったのは、拾われてより濃さを増す椿。むしろ拾われる為に身投げするみたいなとこあるからな、可哀想とすら想われたい。2024/08/05