伊藤博文 近代日本を創った男

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伊藤博文 近代日本を創った男

  • 著者名:伊藤之雄【著】
  • 価格 ¥2,145(本体¥1,950)
  • 講談社(2015/03発売)
  • ポイント 19pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062922869

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内容説明

初代総理大臣として内閣制度を創設し、みずから中心となって大日本帝国憲法を制定しながら、木戸孝允や岩倉具視らの間をたくみに世渡りして出世した「軽佻浮薄」な人物、あるいは、旧憲法によって民主化の道を狭め、韓国では民族運動を弾圧した権力者、といったイメージで語られてきた伊藤博文。日本近代政治史の第一人者である著者が、歴史学の最新成果をふまえて、伊藤の全生涯と「剛凌強直」たる真の姿を描き切る、決定版評伝。(講談社学術文庫)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かんがく

18
同作者の大隈重信、山県有朋の評伝に続いて、ついに主役の伊藤についての評伝。軽くて女好きな調整役政治家というイメージの強い伊藤を、憲法政治の定着を目指して真っ直ぐ進んだ男として再評価。憲法政治を守るためには率先して損な役回りを買って出て、他の元老とも対立していく様がよくわかる。側近である井上毅や陸奥宗光とも次第に離れていったり、親友でナンバー2の井上馨との確執が生じたりと、常にエリートコースを歩んできた伊藤のある種の孤独を見ていて哀しさもある。2019/10/13

qwer0987

10
著者のひいき目が強い感もするが、この本で紹介される伊藤博文はまさに偉人だ。伊藤の偉大な点は立憲政治を定着させたことだ。特に明治憲法が制定当初、何度も憲法停止の危機に襲われたことは知らなかった分、それを回避した事実に感銘を受ける。その憲法を日本の実情に合わせて作り上げたことや、立憲政治のため自ら政党を立ち上げた点は伊藤の実務能力の高さと理想が伺えすばらしい。韓国統治は理想はともかく、朝鮮人民の感情に気づけなかったのがこの時代の人の限界と知れる。伊藤博文の魅力を教えてくれる読みごたえある一冊だった。2024/03/28

若黎

9
ふう〜、やっと読んだ。 感想といえば、伊藤博文の業績を良い感じに評価してるというか。まあ、悪くは言ってないかな。 光緒帝が失脚する前日に謁見していたこと、韓国統治の考えなど、初めて知ることが多かった。 2020/10/19

isao_key

9
2009年刊を学術文庫にて再刊したのも。本書では、如才ない軽い人間という、世間に普及した伊藤博文像を否定し、木戸孝允が伊藤を表現した「剛凌強直」な人柄であることを示そうとした。初期議会から日露戦争までの政党の発展と議会政治の定着、それに絡む近代外交の展開など主役であるはずの伊藤が脇役に追いやられ、一次資料を使った本格的な伝記が書かれていなかったことが、執筆の動機になったと筆者は述べている。その言葉通り、極めて公正に書かれた本格的な評伝になっている。日本の近代化や朝鮮の独立にひたむきに力を注いだ偉人である。2015/07/25

バルジ

5
伊藤博文研究の基本的評伝。相変わらず著者の評伝対象への入れ込みが激しいが、伊藤博文という政治的人間の生涯を知るのに最適な一冊。本書では「剛凌強直」をキーワードに長期的な展望を常に持ちつつ一つ一つ政治課題を解決する優れた国家指導者としての側面を描く。伊藤の功績は憲法の起草者だけではなく、むしろ「憲法政治」を日本に定着させようとした点であろう。「元老」という影の指導者ではなく政党指導者としてその実現に自ら当たり、統治能力を持った政権政党足りうる政党を組織した功績は計り知れない。2022/10/12

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