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内容説明
ヤマトタケルの神話、中世の女装稚児、歌舞伎の女形、江戸の陰間、現代のニューハーフ……。 なぜ私たちは性別を越えたものに心ときめくのか? “女装”を軸に日本文化史を読み直す。(講談社現代新書)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GAKU
45
江戸時代の陰間茶屋の件が特に興味深かった。古代から江戸時代まで、日本という国のセクシャリティや性に対しての寛容さに驚いた。 2019/06/21
4fdo4
15
日本の異性装者(女装)を古代から現代まで論文調で纏めてある。 明治維新までの日本では女装も男色もごく普通のことであり、開国しキリスト教の考え方が入ってきて一転してこれらは排除対象、時代によっては逮捕となった。 昨今、どこかの国会議員が「国賓のパートナーが同性だった場合、自分は晩餐会への出席には反対。日本国の伝統に合わない」といった事を言ったそうだ。まったくもって色んな面から残念で仕方がない。2017/12/03
ヤマセミ
11
真面目な文化論なのだが、とても読みやすく興味深かった。性の違和感を持つ人は治療しなければならないというのは、「医学の皮を被った性規範の強制」というのはなるほどと思った。『オスは生きてるムダなのか』角川選書、と合わせ読むと生物学的にも納得できると思う。2016/11/08
藤月はな(灯れ松明の火)
11
日本での女装文化の奥深さや古来の日本文化内でのマイノリティに対する寛容さについて教わりました。以前、読んだ風俗関係の新書や「禁色」に関係があるお店が紹介されていてびっくりしました。特に文化や宗教観によって培われてきた日本人の女装に対する意識が外国のジェンダーの固定という思想の導入によって矮小化されたという事実に当時の方々の気持ちを考えると本当に遣る瀬無いです。2010/05/10
斑入り山吹
8
ブックオフで目が合った。三橋氏は伏見憲明『変態(クィア)入門』で知って、まあそれは対談だったけど、5年という月日でこんなにまとまった文章を読めるようになる、社会の変遷に驚いた。日本の長い伝統において、性に対するおおらかさ、というものは連綿と続いているんだなぁ、と改めて感じいる。古事記でヤマトタケルの段を読んだときに疑問に思ったことってこういうことだったのね!と大ウケ。仏教が日本に入った段階で相当変容したのではないか、という話を河合隼雄の明恵の本で目にしたけれど、稚児って他の国の仏教寺院にはいたのかしら!?2012/09/10