女たちの平安宮廷 『栄花物語』によむ権力と性

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女たちの平安宮廷 『栄花物語』によむ権力と性

  • 著者名:木村朗子【著】
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 講談社(2015/03発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062585996

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内容説明

本書は、平安時代の摂関政治がどのように権力を生み出していったか、そのしくみについて女たちの後宮世界からみていくものです。その恰好の例として『栄花物語』を取り上げます。作者は歴史的事実をあえて無視したり操作することで、女であること・生むこと・母となることの連なりに走る裂け目こそが、男たちの世界をつくってはやがて掘り崩し、そうした変化が新しい権力構造を生みだしていくことをはからずも明らかにするのです。(講談社選書メチエ)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ときわ

8
栄花物語を読もうと思いつつ周りから攻めてる。源氏物語はいづれの御時にか~で、モデルはありつつもフィクションという事が分かる書き方になってる。でも栄花物語はどんどん実名が出てくるので歴史を書いたものか?と勘違いしてしまいそうだ。実際には本当に起こった出来事も時間や関係者をずらしてたり、バッサリカットしたり、創作した出来事を入れたりしていて、これは物語なんだと分かった。NHKの大河ドラマにすごく似ている。登場人物は歴史上有名なあの人この人だけどたくさん話を作ってる。それをを知ることが出来て読んで良かった。2024/01/23

犬養三千代

7
2015年3月10日 木村朗子 きむらさえこと読む。1750円 栄華物語を読み解く。皇女と貴族の娘の交換という視点で摂関政治を、俯瞰する。史実を少しずらして栄華物語はあるらしい。 権力の面白さは時代、性別かわらないなと。2019/01/19

入江大和

7
摂関政治から院政への転換期、権謀術数が蠢く内裏を舞台とした「栄花物語」をテクストに読み解く…って、人間関係と血縁関係がもう、複雑すぎて、1ページ読み進めるのに何回家系図を見直したことか!けれど、最後まで読み通せたのは、ひとえに著者の語り口が平易だったことと、華やかだと言われていた平安王朝の影の部分を覗き見たい好奇心から。でも、この視点での歴史小説を誰か書いてくれないかな。少しでも人間関係が理解出来た今だからこそ。2015/05/18

ず〜みん

6
平安期の一夫多妻(一夫一妻多妾)制といっても、帝の治世によってその性格は異なる。父親の格によるもの、父親が同格である場合の正妻腹かどうかの格、子供を産んだ順など…臣下においては、正妻格、妻格(権北の方)、召人と明確な差別が行われており、これは例えば道綱母が時姫の死後も正妻になれなかった史実や、和泉式部は召人だった史実や、紫の上(権北の方)が女三の宮の登場によって一の方を追いやられることからも明らか。親王や内親王の価値のインフレ化も記載されていて、大鏡と栄花物語の対比を素地に読むと一層面白い。2021/10/12

hrn

5
正妻の娘でなくても女御扱いになる時期が途中から出てくる点について、前々から不思議に思っていたので、この本ですっきり腑に落ちた。摂政関白の娘=中宮・女御の形が崩れていったことが召人の娘でも女御として入内できることへ繋がるとは。あと、栄花物語は史実と時系列を変えることで一種の情報操作がされていることにもびっくり。結構露骨。今度は系図と首っ引きでしっかり読みたい。2015/06/28

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