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内容説明
本書は、数年にわたってリベラシオン紙に連載していた時評をまとめたものである。この小さな本が日本語に翻訳され、日本の読者がいささかなりとも興味と関心を持っていただけるなら、たいへんうれしい。
ここに収めたテクストは、グローバル金融危機直後からその余波が尾を引く状況の中、またユーロ圏が深刻な信頼の危機に襲われ、デフレと景気後退に直面する中で、社会科学の一研究者が公の議論に参画し、政治や経済にまつわる時事問題を読み解こうとする試みを形にしたものである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
5 よういち
83
フランスの経済学者、トマ・ピケティがフランスのリベラシオンという新聞に寄せた時評コラム集。2004~2010年頃に投稿されたものであるが、ピケティの主張は一貫している。 とにかく巨額の富を持つ富裕層からはもっと搾取しても良いというのが軸。金が金を生むシステムは単純だけど、元手が巨大なために、庶民には考えられないような破壊力で富が増えるらしい。 ◆技術面で世界をリードするようになると、どんな国も年間1~1.5%以上の成長を維持できなくなる。◆21世紀の資本より敷居は低いが、やっぱり私は理解できてないんだなぁ2019/05/30
榊原 香織
66
リベラシオン(フランスの日刊紙)に2004~2011年、連載した時評をまとめたもの。 フランスの社会制度が分からないのとぴんと来ない(訳注で説明がある)。 当たり前だが、日本とはずいぶん違う。税制も。 当時のサルコジ大統領批判(というか完全悪口。よっぽど嫌いなんだナ)も日本の新聞じゃここまで書かないよレベル。2024/05/20
ヒデミン@もも
43
意外と読みやすかったし面白かった。が、計算が出てくるところは???でパスしました。しかしピケティさん、よくもこんなにバッサバッサと政界人をめった斬りにできましたね。サルゴジさんとかは、ともかく、ブレアさんもイメージ落ちた。日本でも格差社会が意識されつつありますが、やはりヨーロッパの富裕層とは比べ物にならない気がする。2015/05/25
壱萬参仟縁
41
フランスの真に問題は、相続制度が硬直的であること(059頁)。フランスでは、10年間で不平等が爆発的に進行(160頁)。日本も同時に格差深刻化だから、先進国の内部でも起きている格差社会は社会問題として改善を図ることが求められる。その日本といえば、民間は金持ちで政府は借金まみれ(‘11年4月5日251頁~)。調査分析を怠れば、必ず最富裕層を利することになる。それも、棚ぼた式に手に入れた財産の持ち主を利することにもなる(252頁~)。ひっそりと沈み行く大学(370頁~)。2015/08/21
James Hayashi
38
経済と政策に関する新聞に連載された時評。フランスだけに限らず、ヨーロッパ、アメリカや日本にも及ぶ。製品に革命をもたらしたスティーブ・ジョブズよりビルゲイツや化粧品ロレアル家の子孫などの資産家がさらに急速に資産を増やす事に、疑問を抱く著者に共感。2019/12/07