笹の舟で海をわたる

個数:1
紙書籍版価格
¥1,760
  • 電子書籍
  • Reader

笹の舟で海をわたる

  • 著者名:角田光代
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 毎日新聞出版(2015/03発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784620108070

ファイル: /

内容説明

『本の雑誌』が選ぶ 2014年ベスト10(ノンジャンル)の第1位 獲得! ! 終戦から10年、主人公・左織(さおり)は22歳の時、銀座で女に声をかけられる。風美子(ふみこ)と名乗る女は、左織と疎開先が一緒だったという。風美子は、あの時皆でいじめた女の子?「仕返し」のために現れたのか。欲しいものは何でも手に入れるという風美子はやがて左織の「家族」となり、その存在が左織の日常をおびやかし始める。うしろめたい記憶に縛られたまま手に入れた「幸福な人生」の結末は――。激動の戦後を生き抜いた女たちの〈人生の真実〉に迫る角田文学の最新長編。あの時代を生きたすべての日本人に贈る感動大作!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

416
左織という1人の女性の1つの人生を一緒に生きたような思いです。戦中疎開先で出会った記憶もないような風美子と戦後再会し、義理の姉妹となり晩年まで関わっていき、途中で風美子のふるまいに疑惑も持ちながらも風美子の存在の大きさを知る。全体的に抑揚のないストーリーで暗い。私もどちらかと言えば左織みたいな不器用で内向的な性格なので風美子みたいに器用に強く外交的に生きられる人を見ると羨ましくなります。ストーリーの主旨とは違うけど、母親を大事にしようと思いました。2015/02/13

風眠

245
戦争を生き抜き、豊かさに向かう時代を生きた女の半生。子どもの頃、疎開先での辛かった数々の事を忘れられず40年以上。今、想い描いていたような幸せな人生を生きているのかと問われると、そうはなっていない。「疎開先であの子をいじめたから?」と、初老にさしかかった女は思う。自分には今、天罰が下っているのだと。個人的には、母と娘の確執についての記述、母親目線に立った部分が気になった。娘を愛するよりも先に「産むという義務」を果たしたという安堵、からの女の心の動きが。本筋とは離れるが、ここに角田さんのカタルシスを感じた。2015/02/14

ナイスネイチャ

240
図書館本。戦前から現在までの学童疎開出身の二人の女性の半生。主人公は左織という女性だが常に風美子の憧れ、嫉妬が入り混じって話は進んで行く。色々邪推な結末を考えましたが、最後まで読者に問い掛けるような内容でした。2015/08/24

hiro

233
戦争中、親元を離れた疎開先で知り合い、後に再会し義理の姉妹となった、対照的な左織と風美子の戦中から平成の時代までの半生を描いた400ページを超える大作。風美子と再会したことにより、疎開先でのいじめの記憶に縛られ続け、さらに実生活において思うような家族関係を築けない主婦の左織、一方、戦争で家族を失ったが、変わった戦後の時代を自由に新しいことにチャレンジし、社会に進出していく風美子、その二人を左織が語り手となり淡々とした文章によって描くことにより、この二人の対比、そして生活が鮮明に感じることができた。2014/10/05

barabara

194
一貫して冗長すぎる。女の一代記としても、事実を羅列し最後はいつも敵わない義妹への悶々とした思いが渦巻くのみ。だからどうした?という思いでこっちは一杯。当の義妹がなんの悪気もなく純な人だから、余計さーちゃんが何とも面倒臭く歪んだ人格として書かれて終わるのが勿体無いし拍子抜け。!大して夫らは重要な役割もなく、さーちゃんの独白を延々と聞かされただけって感じかな…これだけ長いと「だから何なんだっ!?」と言いたくなってしまった読後だった。→続42014/10/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/8276948
  • ご注意事項