内容説明
「あなたは検察審査員候補者に選ばれました」高校教師・佐田のもとに届いた1枚の葉書。それは、検察官が下した不起訴処分の妥当性を市民が審査する日本独自の「陪審制」検察審査員の選任通知だった。落ちてきた突然の義務。佐田は、さまざまな事件に関わりながら、次第に興味を深めていく。「裁判員制度」時代に先駆けて名匠が描いた市民参加型司法推理の傑作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
涼
13
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2018/12/post-8723.html2018/12/14
北条ひかり
4
4時間10分。カセットテープ。旭川点字図書館と音訳者さんに感謝。法学を学んだことがある僕でも、検察審査会については詳しくなかったりするので、とても勉強になりました。審査補助員となった高校教師の主人公に加え、元教え子の雑誌記者と、元不倫関係にあった女性に似た人物が審査員だったりと、物語的ご都合主義はあるものの、そういう工夫のおかげで、審査の表と裏がわかる仕組みになっており、非常に面白く読みました。(それにしても、55歳の男でも恋愛はやめられないのかねえ。日本のオヤジは凄いねえ。)2016/07/17
岡 幸治
2
1995年発刊の書ですが、「検察審査会」というマイナーで秘密に彩られている世界を様々な告発で描いてくれています。この会の委員には守秘義務がある為、取材はかなり大変だったと思いますが読み物としても「検察審査会」の雰囲気も良くできています。とてもおもしろい一冊でした。2014/06/18
Mark
2
小沢一郎裁判で初めて知った検察審査会の存在。裁判員制度と同じく市民の視点で見直す制度はいいと思うけど、決定に法的拘束力がないというのがちとアレですな。審査会のしくみを理解するにはいい入門書だ。検察審査会でも裁判員でもいいから、ぜひ選出してほしいなぁ~。2013/04/11
ぴよきん
2
現在だと、これが裁判員制度の話になるんでしょうが、もともと、こういうふうに市民が司法に参加するシステムってあったんですよね。裁判員制度に置き換えて読むと、とても勉強になりました。でも・・・、主人公と小淵沢妙子の関係、必要あったかなあ。2010/06/14