内容説明
大量遭難事件で語り継がれる八甲田山雪中行軍の裏に、同時期に八甲田山雪中行軍に挑み見事成功させた部隊があった。その隊員を祖父にもつ著者が、平成17年に八甲田山雪中行軍に挑んだ! 準備から無事成功するまでの全てを記録したノンフィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
C-biscuit
17
古本購入。以前、八甲田山死の彷徨を読んだのもあり、興味を持つ。ほぼ同じルートを子孫である著者が近代装備で挑む。自分にはできないことであるが、小説と比べると全行程が3日間であることや車での移動、サポートする人たちが通いで対応している様子など冒険的な感動はない。各所に出てくる当時の分隊写真や回想がこの本の面白さである。ただ、こういう挑戦をしないと本にもならないところである。歴史小説と史実と違いについても言及しているが、著者の経歴からするとバイアスがかかる。リーダー判断が重要であることは著者も知るところである。2017/08/11
でおでお
3
著者が55歳を迎えて挑戦する様は大いに励まされるが、青森5連隊と弘前31連隊の生死を分けた最大の要因を、大寒気団に遭遇したタイミングとするところには異論を挟まざるを得ない。道中最大の難所である馬立場付近を通過する時の天候が青森隊の場合には悪すぎたというのだ。確かに遭難要因の一つではあるが、厳寒期に中退規模という大人数で大量の物資をソリで運搬するという計画の不良、案内人をつけなかったり、小峠で撤退しなかった指揮官の判断が210名中199人死亡という全滅をまねいたのだ。傷を浅くとどめる機会は何度もあった。2010/03/16
かぐや.
0
冬山登山の本として読んだらちょっとがっかり。これは明治35年の八甲田山の行軍を知るための本でした。車、スノーモービル、幕営は車行きかう国道のすぐ傍「八甲田雪中行軍」というタイトルは無理があるような気がしました。それでも映画で見たそれぞれのシーンが思い浮かんではきたのですが。2018/04/08
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