内容説明
暗闇じゃないと光は見つからないの。「この世でもっとも美しい女性」は、嵐の夜に消えた夫を探して、5つの国を旅し6人の王に出会う。「E☆エブリスタ」で不動の1位を誇った伝説の人気作品がいよいよ書籍化! 『奴隷区』の岡田伸一による、この上なく残酷で純粋な、愛を求める冒険物語。学校に通うのをやめた「少年」は、近くに住む「老婆」に勉強を教わる。「老婆」は、不思議な話をして聞かせた。それは、「この世でもっとも美しい女性」が旅した5つの国と、神秘の力を持つ6人の王様の話。“やまない雨の国”“明日から戦争の国”“選択する恋愛の国”“夢見る黄金の国”“紅い地球の国”。「美しい女性」は、新婚旅行直前に失踪した「夫」を探していた。そして、ある国の愛を知らない「愚かな姫」との出会いが、彼女を過酷な運命へ突き落とす。正義、恐怖、弱さ、勇気、夢、憎しみ、不幸、美しさ――。人生の大切なヒントを探す旅に出よう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おかだ
57
いや逆に、この壮大な物語のタイトルが『少年と老婆』な事に驚くわ!というのが読後に本を閉じて表紙をまじまじと見つめた時の感想。もうなんと言うか、どう説明したらいいのか分からないくらい入り組んだ物語で。あっちに行ったりこっちに行ったり、時を超えて場所を越えてファンタジーと現実の境目さえも曖昧で。でも流れに身を任せて、翻弄されながら登場人物と一緒にこの世界をさ迷えば、楽しい。喜び、悲しみ、大きな絶望、そしてあたたかい救済の物語だった。長いよ、しんどいよ、だけど大満足。読んで良かった!2019/10/16
夜長月🌙@読書会10周年
42
美しく、優しく、気品のある人が幸せになるとは限りません。人生とはそんな簡単なものではないのです。地位と権力を持った何でも自分の思い通りになるものは往々にして不幸です。人々は彼を暴君と呼びます。過ちを犯すのが人間であれば過ちに気付くことができるのも人間です。2017/06/15
うめ
29
世を救う聖人や人を救う神が初めから人にとって美しく良い性質を持ち幸せな事は少なく思う。汚泥の中から這い上がり、苦しみと絶望を知ったものだけが、光と幸せをもたらす。苦しみを知っているから、相対的に、幸せを知ることができる。人は本当に、なんて不器用で弱く生まれついてしまったのか。物語は実際の人生と同じように、苦しく進んでゆく。だけれども、繰り返す螺旋のその先には、いつも光が溢れている。読後には愛する人をより大切にしたくなる。ちなみにどうでもよい乾燥を述べると、ベルセルク(漫画)が頭をよぎった。2017/04/06
いちろく
27
大人向けのお伽話、いや子供には薦められないお伽話。色々な時代の地球の縮図のような世界観の中に、物語のピースが散らばって描かれている印象。後半になれば成る程物語の時間軸がバラバラになるのに、不思議と頭の中で繋がっていく所が面白い。タイムトラベルやループ系の作品に抵抗がなく、お伽話が好きな人に紹介したくなる1冊。もし、読了後に、疑問に残った部分があるならば、岡田伸一さんのブログの解説を、ご参考に。2015/11/22
あお
5
最後まで夢中で読んだ。みんなにお勧めしたい本。おとぎ話のようだけど、とてもリアルで、直接的なメッセージが心に響きました。 読み終わってもまた最初から読みたくなる。2017/11/13
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