内容説明
初夏。街では連続変死事件が起きていた。まるで狼に喰い千切られたような遺体。流通する麻薬。恍惚の表情で死んでいく少女たち。自らも死を求める高校生・此花ねむりは鈴原楓との出会いをきっかけに事件を調べ始める。だが、そこには3年前の殺人事件に繋がる驚愕の真実が隠されていた――。性(エロス)と死(タナトス)、その果てに垣間見える少女の戦い。逸脱者たちが繰り広げる戦慄の新伝奇譚。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
132
相沢さんにしては珍しく長編。しかもエロ・ホラー・SFちっくなミステリーで今までと作風も違うように感じた。2014/10/14
ベイマックス
85
相沢沙呼氏にこの手の作品もあったのですね。新潮ではなくて角川だとホラー文庫になるような感じです。映画化したら、R18指定かもな。苦手な方はご注意下さい。◎探偵の雪紫と宮島のやり取りは、近未来的。バーチャルゲームのでかいメガネも軽量化して、パソコン画面も空中に表示されるような世の中まであと何年?😵2021/05/09
雅
84
猟奇的なミステリーかと思って読んでたら、随分と官能的な展開。グロさも追加されて悲劇的な結末。こういう作品も描くんですね2021/06/26
セウテス
84
ミステリよりは、ホラーである。連続少女不審死が発生する町で、プーギーという謎の薬と暗躍する人々。ある理由から死を望む此花ねむりは、同じ高校の鈴原楓と不審死の真相と薬の行方を追う。排他的な世界観と耽美な表現を背景に、少女たちを描いた作品なのだろう。本作は魅力的な謎の提示に始まるのだが、人による殺人事件の謎解きとはならない。それでも、謎解きを活かした展開であれば、ホラーミステリとしては尚良かったと思う。こうした葛藤を心に秘して、生きている人はいるのだろう。この独特な世界観は嫌いではないが、理解は出来ない様だ。2020/05/21
七色一味
77
読破。今までの相沢沙呼さんのイメージとは90度くらい違った方向の、ダークかつ耽美で赤黒い作品です。ギリシャ神話をモチーフとしていて、若干、そちらの知識があると読みやすいですね。ミステリーの、そもそもの原点に回帰するような位置づけでしょうか。読んでいて、新しいんだけどどこか既視感のある物語でした。個人的には好みでしたが、続編があるのかどうかは(需要の問題も含めて)微妙かも…。2014/11/11