精神医療・診断の手引き - DSM-IIIはなぜ作られ、DSM-5はなぜ批判されたか

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精神医療・診断の手引き - DSM-IIIはなぜ作られ、DSM-5はなぜ批判されたか

  • 著者名:大野裕
  • 価格 ¥2,310(本体¥2,100)
  • 金剛出版(2015/03発売)
  • ポイント 21pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784772413862

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内容説明

精神科診断は、DSMというマニュアルに頼るのではなく「症状をじっくりと観察する」ことが第一である。
当たり前のことだが、それが忘れ去られようとしている。
「病名を付ければよい、そして、それに基づいて薬を処方すればよい」という風潮が強まったのは、DSM-IIIが導入されてからだ、と批判的に言う人がいるが、著者はそうではない、と考える。
そこには現代精神医学が抱える問題がある。
DSM-IIIが「必要」になった背景とその後の展開、そして、DSM-5の作成をめぐっての「批判」を紹介しながら、著者の精神医療論を語る。

目次

序文:第18代目中村勘三郎の体験
第1部 DSM-IIIはなぜ必要とされたか
 治療のための診断とは
 診断の不一致
 医療保険と精神科医療
 精神医学の医学化とDSM-III
 信頼性の向上と多軸診断
 DSM-IVの登場
第2部 DSMと過剰診断・過剰治療
 過剰診断・過剰治療
 Disorderの訳語をめぐる議論
 うつ病の多様化が意味すること
 新型うつ病にみる問題
 双極II型障害
 双極性障害および関連障害群
 性機能障害と予防拘禁
第3部 DSM-5の失敗が教えること
 DSM-5の概要とDSM-IVからの変更点
 DSM-5が目指したパラダイム・シフトと挫折
 DSMの秘密主義
 DSMと経済問題
 DMDDと小児の双極性障害
 生物学的な指標の導入
 RDoC
 ディメンションかカテゴリーか
 予防概念導入のための必要条件
 臨床家の判断への回帰
 死別反応は病気か
 DSM-5と症例の概念化
 治療関係の基礎を作る診断面接
第4部 今後の精神医療への展望
 こころの健康を実現する環境
 薬に頼らない治療を考えるとは?
 裁判に負けた名門の精神療法専門病院Chestnut Lodge
 地域との連携の重要性
 宮城県女川町での実践とその後の広がり
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ステビア

16
誤字・脱字が目立った。2016/10/27

たらこ

4
DSMの成り立ちと5への批判、精神医療のあり方についての、大野先生のご意見。2014/12/23

駿ばぱ

3
精神科の診断がDSMにより明確な根拠ができたということは有意義なことだったのかなと思います。でも、それが単なるカテゴライズに走り出し、患者それぞれのもつ個別性から離れていってしまった。薬の処方だけで精神疾患は治らない場合も多いです。なぜ精神疾患がおきるか明確になっていない現在、症状をみるだけでのカテゴライズし、薬を処方しながら様子をみるだけの現医療は、患者として信頼に値しないというのが私の正直な感想でした。いずれにせよ、地域や職場などの社会的な環境ももっとつながって欲しいなと思いました。2014/09/27

yuki

1
DSM-IIIの作成にこういった過程があるとは全く知らなかった。精神医療には科学的根拠というものがますます重要となってくるであろうし、自分の看護もそうあるべき。2015/01/24

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