内容説明
若き天才科学者クリフォードは、政府機関で統一場理論の研究を進めるうち、画期的な成果をあげた。物質、電磁気力、そして重力の本質を見事に解き明かしたのだ。この理論を応用すれば、宇宙のエネルギーを自由に操り、利用することができる。使い方によれば究極の兵器ともなり得るのだ。そこに目をつけた軍部は、ともすると反抗的なクリフォードを辞職に追いやり、独自に研究を始めた。彼は私的研究機関に移り、細々と自分の研究を続けていたのだが……。ハードSF界の旗頭ホーガンの面目躍如たる大作長編。星雲賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
124
独立独歩の科学者クリフォードが、統一場理論を発見し、世界を変えようとする。その理論は、惑星や恒星から絶えず生み出されている超波動に基づいたものだった。この超波動を感知することで、宇宙のあらゆる場所の物体の形態を的確に把握できるようになる。難解な物理学の用語が出てくるが、クリフォードの研究と発見によって、この世界の枠組みが変化していく過程は、非常にスリリングで読んでいて胸が躍った。これこそがSFの醍醐味センス・オブ・ワンダーだと思う。社会や政治の描き方はやや現実味に欠けるが、それは些細な欠点だ。2017/05/09
鐵太郎
15
あとがきには、「ユーレカ」の復活」と言う題がつきます。SFというものがいささかすれてしまい、少々のことでは驚かなくなったSFファンの度肝を抜くセンス・オブ・ワンダーの復権である、ということでしょうか。まさしく、それかも。今(2010年)の時点で見てどうかというと、天体物理学などけっこうアラは見えます。しかし語られる膨大な量の理論の波には、今でも打ちのめされるばかり。ホーガンの3作目であり、ハードSF作家としてのホーガンの名声を世界に示した傑作の一つと言っていいかも。2010/10/23
拓也 ◆mOrYeBoQbw
13
SF長篇。『星を継ぐもの』で知られるJ.P.ホーガンの初期作品。ストーリーは出版当時の、朝鮮~ベトナム戦争から米ソ冷戦へと続く暗い時代背景を強く意識していて、時代に対する皮肉が色濃く織り込まれた作品になっています。SF部分に関しては、『星を継ぐもの』のプロトタイプとも言えるSF理論を用いていますので、セットで読むのも一つかと思います。近年の複雑なハードSFに疲れたら、こういったスタンダードSFに立ち戻るのもいいと思いますね(・ω・)ノシ2016/01/04
はんみみ
12
再読。以前も読了までやたらと時間がかかったけれど、今回も手こずった。面白いんだけど、主人公も世界情勢もくらいんだもん… それでも再読したくなるホーガン作。 ラストのどんでん返しを知っていたので、どうにか読んだ。2014/11/10
武夫原
10
クリフォードの理論もさることながら、BIACがすごいな。そんなものを作り出せるなんてすごい。人間の考えていることを読み取るこれがゾラックやジェベックスに繋がるアイデアなのか。それとサラがすごい魅力的。クリフォードが後半鬼気迫る感じで働くあたり、サラがすごく寂しそうでオーブとくっつきそうな雰囲気もあったけど、やはりクリフォードは正気だった。2017/02/11
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