内容説明
なぜ、日本にはこれほど自殺者が多いのか。古今の日本人の名言を引きながら、我々はどう生きるべきか、苦しみ悲しみをどう受け止めるべきかを探る。「情」「悲」に生命のちからを見いだした一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Aya Murakami
67
島内移住者古本。 鹿児島のかくれ念仏の話が壮絶!真宗の難解な教義思想は理解不能ですが、抑圧された庶民の抵抗は理解できます。 命が軽く乾いてしまった今悲しみや涙が必要。とはいっても本書が書かれた2005年から早20年。ついに悲しい作品を見ても涙一つ出てこないと悩む若い人がでてきたとか?事態はより深刻になっている模様。2025/03/28
団塊シニア
24
絶望のどん底で悲しみのさなかにいる人にとって勇気づける歌とは?阪神淡路大震災、東日本大震災でも、それは決して明るい、元気のある歌でなく「悲しい歌」であったことに納得。2013/01/13
孤猿
5
本当の慰めというものは、悲しみを共有することだという言葉が心に残った。慈悲の「悲」の部分について、人間はもっと嚙みしめる必要があるそうだ。ただ明るく能天気に生きてりゃいいというもんじゃないみたい。。。2018/09/07
カツドン支持者
5
いまは不安の時代。多くの人々が頼れるものが失われた嫌な時代がくる。先の期待は薄い。こうした時代にあって五木さんは未来をみつめるのではなく、過去を振り返るのでもない、いまこの時を生きるちからを持とうと言う。ネガティブな気持ちを否定せず、自分の感情に向き合う。本当の希望は深い絶望の中から現れるのではないか。日本の歴史、それも教科書に載っていない土着の歴史に注目しよう。例えば隠れ念仏衆は凄まじい弾圧にも耐えて信仰を持ち続けた。この事実から日本人の中にはとてつもないエネルギーが流れている事が分かるというものだ。2018/07/13
笛吹き王子
5
悲しんでいる人を元気にするのは、悲しい気持ちを共有することが最も 有効であると納得。被災してすべてを失ったり、戦後敗戦国の人民として追われ 逃げ帰るのがやっとだった人たちの思いを例に挙げ、共感できた。2013/04/12