ちくま新書<br> 思考実験

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ちくま新書
思考実験

  • 著者名:岡本裕一朗【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2015/03発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480067517

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内容説明

議論をより深めるために用いられる思考実験。哲学における古典的な問題から、SF小説の一場面のようなものまで、その射程はとてつもなく長い。だから、哲学的に思考する経験がない人にでも、考える手がかりとなるだろう。本書では、自己、他者、倫理、社会といった四つの分野にわけて、読者の頭を悩ませる思考実験をセレクトした。また、「現代」というこの世界を感じ取れる読み物としてもいける。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kasim

33
「大勢を救うために一人を犠牲にしてよいか?」で有名なトロッコ問題をはじめ、自己とは、という古典的な問いから始め脳科学、AI、生命倫理まで射程に入れた75の思考実験。具体性の強い哲学の入門書という感じ。もう少しパズル的な要素があってもいい気もするが、幅広い教養はさすが専門家の仕事で、カントからドゥルーズ、サールまで活用されている。予想外に多くの文学作品が素材に用いられていて嬉しい。カフカ、筒井康隆、ディック、ル・グィン、カルヴィーノ、ピランデロ…。読んだのもあるけど、原典に戻りたくなってしまう。2019/05/24

アドソ

16
難しかった。流し読みできる本ではなく、一つ一つの思考実験にそれぞれ頭を悩ませて考えないと、ちゃんと読んだことにならないのではないかと思うほど。文学に思考実験という名前を与えたところがすごい。文学とは、まさに現実とは違う世界に生き、違う人生を生きることなのだろう。高校の国語がこういう授業だったら楽しかっただろうに。著者は大学でこういう講義をされているようだけれど、どういう名前の講義なんだろう。2019/11/16

壱萬参仟縁

12
75の事例集。妄想といえば、2年前にしてみたが、他人には迷惑(043頁)をかけたかもしれない。記してお詫び申し上げる。その人には結婚まで決意させてしまったので。ミラーニューロンとは、1996年に、リゾラッティを中心としたイタリアのパルマ大学のチームが発見した神経システム(124頁)。「自分が行為を行なうときにも、他人が行為を行なうのを眺めているときにも活性化するニューロン」(同頁)。覚えておきたい。真理とは、それなくしては生きていくことができない人間が捏造した嘘(158頁)かもしれないという指摘も一理か。2014/01/30

ミズグ

9
抽象的理論が具体的事例として理解するにはとてもよいと思う。岡本先生の文体は非常に読みやすい。2014/02/02

タカヒロ

5
この手の本は著者自身考案の思考実験ばかりで、哲学的な裏付けや意義のある実験が多くないような印象だったが、この本はそうではなかった。特に原典を思考実験としてテーマごとに深めていく点はとても勉強になる。人間存在の根本を、回り道しながら考えさせてくれる良書。2018/05/04

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