角川新書<br> 中間層消滅

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角川新書
中間層消滅

  • 著者名:駒村康平【著】
  • 価格 ¥902(本体¥820)
  • KADOKAWA(2015/03発売)
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  • ISBN:9784047317239
  • NDC分類:364.021

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内容説明

現在、我々は世界的な社会経済構造の大変革期に直面している。その結果、戦後作り上げてきた様々な社会保障制度、再分配システムが壊れ、所得格差が世界的規模で拡大してきた。社会保障制度の歴史的背景を見ると、産業革命後のイギリスで成立した救済制度が最初の社会保障制度であることがわかる。当時のイギリスは貧困が蔓延し、大きな社会問題になっていた。また、「貧困=怠惰」と考える社会風潮があり、その制度の中身はかなり貧困者に厳しいものであった。これは今の生活保護受給についての批判と重なる。しかしさまざまな研究により、貧困は不運であり、貧乏人の一発逆転はないことが明らかになった今、私たちはどんな選択をするべきなのか。富の集中は仕方がないこととあきらめるのか。それとも、時代に合った新しい社会保障制度を構築していくのか。世界に類を見ない超高齢社会に突入した日本の行く末を世界は注目している。本書では、不安定な雇用環境が少子化の大きな原因の一つであることを明らかにし、団塊の世代が75歳を迎える2025年までに取り組まなければならない課題と、その解決のための処方箋を提示した。国が中間層を守れない時代がくる前に、将来について真剣に考えるきっかけとなる一冊である。

駒村康平 1964年千葉県生まれ。慶應義塾大学経済学部教授。経済学博士。1995年慶應義塾大学大学院博士課程単位取得退学。社会保障研究所、国立社会保障・人口問題研究所研究員、駿河台大学、東洋大学を経て、2007年より現職。2009~2012年厚生労働省顧問。2010年社会保障改革に関する有識者検討会委員。2010年~社会保障審議会委員。2012年~2013年社会保障制度改革国民会議委員。著書に『大貧困社会』(KADOKAWA)など。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ほじゅどー

10
★★★日本の①グローバル経済がもたらす所得格差、貧困の拡大、非正規労働者の増加②人口の高齢化、労働人口の減少、地方人口の縮小、単独世帯の増加という人口構造の変化③1000兆円を超える膨大な財政赤字という3つの課題。これらは相互に密接に関係している。格差の拡大は出生率を下げ、経済活力を奪い財政赤字を拡大させた。この課題に対応するためには負担と給付の見直しが不可避だが、若い世代と高齢世代の利害対立が、予想され合意形成が難しいが「ゆっくりと、しかし確実に悪化」していく。2016/04/24

ぐっち

5
統計データ等を使い格差が拡大している状況を説明している。社会保障と税の一体改革の説明はわかりやすく問題点について簡潔に述べられていた。やはりこれからの社会で鍵となるのは団塊世代なのだろうか。彼らが定年退職後にも経済・財政に対し貢献できる仕組みづくりを早急に行う必要を感じた。2015/10/03

三上 直樹

5
中間層が消滅して二極化している日本社会を、19世紀英国と比較したり、社会保障制度の欠陥を突いて改革の提言でまとめたり、手がかりとなるじれいも紹介しているのに、どうも真に迫ってきませんでした。 あまりに客観的なのが、伝わらない理由かも知れません。2015/06/14

まゆまゆ

4
グローバル経済がもたらす所得格差と非正規雇用増、人口の高齢化と労働人口の減少、1000兆円を超える財政赤字。ゆっくりと、しかし確実に悪化していくこれらの要因によって、社会保障制度・雇用制度は崩壊の危機を迎えるのは間違いない。世界対戦前の時代に逆戻りする一部の資本家と多数の低所得者の構造に段々と近づいているというのがよく分かる……2016/03/17

Sanchai

3
なんとなくそうなんだろうなと思っていることを、統計データを駆使してうまく説明されている。表紙が簡素な割には中身が濃いので、費用対効果が高い1冊。2015/12/02

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