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内容説明
医者が最も不足しているのは関東地方、医者が多いのは四国・中国・九州など西日本だ。医者の数は圧倒的な「西高東低」で、その新しい「格差」は、戊辰戦争と明治政府、日本陸軍、そして田中角栄によって歴史的に作られてきた。なぜ関東に医者は少ないのか? なぜ医学部は西日本に多いのか? なぜ金持ちの子どもしか医者になれないのか? 素朴な疑問から現代社会の「格差」を見出した東京大学医科学研究所特任教授が提言する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おさむ
34
本著の肝は、戊辰戦争からの名残で、大学医学部の西高東低が続いていることを、データで示した点にある。各地方の詳しい分析なども興味深い。難点は歴史好きなのかやたらとトリビアネタに脱線するところ。最近はゴーストライターに書かせる新書も多いようだが、この脈絡のない自由な文章は本当に自分で書いてるな笑。2018/10/10
FK
6
新型コロナウィルスのことでのツイッターへの書き込みを目にしたことから、この本も手にすることに。今の新型コロナウィルスがまだまったく問題となってない時点で、すでに今もし医療崩壊が起こっているとしたら、その原因はこの書名にあるような事実が原因であったということのようだ。「医学部」の偏在、「西高東低」であること。その原因は、江戸幕府の崩壊と明治政府の樹立以来の歴史だ、と。明治維新の際、どちら側についたかにより、その後のその地域の発展の度合いが違ってきている、という仮説である。「医学部」に限らないが。面白い。2020/07/01
__k
5
(U)人口当たりの医師数が最も少ないのは埼玉県,千葉県,茨城県,神奈川県などの関東地方、多いのは徳島県,東京都,京都府,福岡県,鳥取県/関東地方は医学部の数が少ないため、東京界隈の医学部神学者の多くが東京で進学している/どこに生まれ育ったかで医師へのなりやすさに格差が生じている説/一人の患者を診たら、100の論文を読め2020/05/13
64
5
本題はいつ?と思いつつ流し読みしてたら、最後まで求めてた内容ではなかった。2017/06/22
coldsurgeon
5
医師の数は、圧倒的な西高東低であり、その格差は、都市と田舎の比較で生まれるものではない。東京都には医師は多くても、その終焉の関東諸県では少ない。では、それに対して地域枠で医師数を増やそうとしても、効果は薄く、教育に関して、考え方を変えろという。いろいろな地域で研鑽をつむことにより、「己を知ること」「他者との違いを認識して真の個性を見つめること」が、医師にとって必要なのだと思う。2015/03/22