光文社古典新訳文庫<br> 天使の蝶

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光文社古典新訳文庫
天使の蝶

  • 著者名:プリーモ・レーヴィ/関口英子
  • 価格 ¥748(本体¥680)
  • 光文社(2015/03発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334751661

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内容説明

先史時代の鳥類のような奇怪な骨を見つけたのは、廃墟と化した大戦後のベルリンのアパートの一室だった……化学者でもあったプリーモ・レーヴィの世界観が凝縮された表題作「天使の蝶」をはじめ、傑作「ケンタウロス論」、「転換剤」「完全雇用」など15篇。アウシュヴィッツ体験を核に問題作を書き続け、ついに自死に至った作家の、本邦初訳を多数収録した傑作短編集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takaichiro

109
面白かった。良質な短編集。化学者でもあるレーヴィの知性がふんだんに生かされた内容。AIやクローン人間の登場やその扱い・活用にアタフタする人間の様子など、現代作品にも通用するコミカルなシーンが沢山出てきます。話の進め方が星新一のショートショートにも似ている様に思え、楽しくあっという間に読み終えました。テクノロジーは飛躍的な生産能力拡大を実現してきましたが、これからは社会生活や人間の感情に大きな影響を与える時代に入ります。日本ではイタリア作家の翻訳作品がそう多くは出ていませんが、意識的に探してみようと思う。2019/12/29

nobi

90
悪戯っぽくウィンクしながらSFの世界に人情と生理と現代生活あるあるを織り交ぜてる感じ。風邪引く複製妻、目覚めてすぐのステーキは胸につかえる冷凍美女、『創世記 第六日』<ヒト>の構造議論する委員会…。原子配列コピー機《ミメーシン》モノ、昆虫との交渉モノ、感覚体験ヘッドギア《トレック》モノ…。化学知識駆使した斬新な発想と次々展開する事例は絶好調。表題作と一部を除いてユダヤ系作家が逃れられなかった過酷な体験の記憶は感じ取れない。むしろ重い記憶から自らを解放して天真爛漫に飛翔?レーヴィ未来劇場は痛快な出し物一杯。2017/11/12

青蓮

86
プリーモは化学者でもあったせいか、作品にもそれが色濃く反映されている。特に発明機械を売る会社に勤めるシンプソン氏が登場するシリーズ作品は、これが50年前に書かれたとは思えない程の完成度。3Dプリンター、バーチャルリアリティ、人工知能等、現代において真新しい技術・製品を既に考えてた事に驚くばかりだ。プリーモが実現したそれ等を目の当たりにしたら、どんな反応をするのか興味がある。お気に入りは冷凍保存によって長年生きてきた女を描く「眠れる冷蔵庫の美女」。これもいつか実現する時がやってくるのだろうか。面白かった。2017/07/11

藤月はな(灯れ松明の火)

44
特に戯曲調の「詩歌作成機」はカレル・チャペックの戯曲、「ロボット」でも論じられる行き過ぎた利便性がユーモラスに語られていて好きです。「眠れる冷蔵庫の美女」は「夏への扉」を読んでいたらまた、違った感想になるのかな。「転換剤」は苦痛が快楽へと逆転する話でタナトスの原理が自傷行為や自罰行為でこうなったらと思うと怖すぎます。最後がこの連作短編集で重要な狂言回し役を仰せつかったNATCA社のシンプソンの末路についてという〆もおあとがよろしいようで。2013/03/08

けろり

39
蒼月海里さんの、著作の中で紹介されていたので手に取ってみました。 読むのに時間がかかりましたが、読み終えることができほっとしています。化学者でもある著者だからこそ描ける作品なのかなと思います。何処までがフィクションなのか分からなくなりましたが、もしかしたらこの本の中にある事が現実になる日もそう遠いことではないのかもしれません…2019/01/12

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