内容説明
ルールに縛られ硬直化した、日本の官庁・企業の問題に鋭く迫る大作。
大阪地検特捜部で起きた証拠改ざん事件とその不祥事対応の分析から、検察の組織的問題を追及する。
著者のコンプライアンス論の集大成、変化の激しい時代に生きる、組織人必読の一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kiki
6
コンプライアンスの本来の意味は「他からの求めに応諾し、従うこと」。つまり、組織が社会からの要請に応えること。法令遵守は本来誤り。法規制社会の米国では成立する言葉である。過去の日本のコンプラ違反の事例は行き過ぎたものが多い。米国のトヨタプリウスのリコール問題では一部の運転特性に合わず、これに違和感を持つ人が出たことが発端である。これを煽ったのが当時の前原国交相で、問題を決めるのは使う側と発言されたため、技術面での問題と危険性はないがリコールせざるを得なくなった。このコストは結果として利用者にも影響する。2017/04/15
H2A
3
検察問題から大企業の様々な不祥事までを取り上げ、それが社会的な大事に至った原因を分析している。コンプライアンスは単なる法令遵守でなく、社会の要請に応えることだという主張は一貫しているし、議論も具体的になり深化している(第5章の議論はやっつけな気がしていだけないが)。エピローグにあるように1か月で書かれたとはいえ、著者の現時点での総決算とは言えるだろう。2011/06/05
KAZOO
2
コンプライアンスについてかなり役に立つと感じました。最近の事件の事例について著者の独自の観点から分析してくれてわかりやすく説明しています。法令順守だけでは欠陥が生じるのでルールの創造が必要ということを説いています。2013/03/02
パパ
1
コンプライアンスの本来の意味は「他からの求めに応諾すること」、組織にとっては組織が社会からの要請に応えることである。法令遵守という言葉、法令を守ることの自己目的化が様々な弊害をもたらしており、どうしても規則・基準・マニュアルを守ろうとする方向に注意が向き、本来の社会的要請に応えることから注意が逸れてしまう。暗黙のルールとして社員の中で共有されている社会的要請を総合的に考慮した方針を明文化(=ルールを作る)し、個別具体的な業務遂行に活用し、業務をめぐる環境の変化に応じて積極的にルールを見直す必要がある。2012/06/06
nchiba
1
コンプライアンスには、法的責任を果たすという側面と、社会的責任を果たすという側面がある。アメリカではこの二つがほぼ一致しているが日本ではそうではない。ニッポンでは「法令遵守」と狭く解釈して失敗している。「ルールを作る」、「ルールを活かす」、「ルールを改める」という考え方が大切。こう考えるとコンプライアンスの堅苦しさが多少は和らぐかもしれない。2011/10/27
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