内容説明
トリスタンは公爵の次男として生まれながら、14歳のときにすべてを失った。それ以来、海に生き船長にまでなった彼は、もはや自分のことを貴族だとは思っていなかった。ある日、トリスタンのもとを伯爵令嬢アンが訪れ、4年前にクリミアへ出征した婚約者に会いに行くために船を出してほしいと頼む。一度見たら決して忘れられないアンの銀の瞳にトリスタンは心を奪われる。それは悲劇を見てきた瞳だった。トリスタンは船賃はいらないと断るが、船を出すのにひとつだけ条件を出す。それは、航海の途中でただ一度だけキスをさせるというもの。急がない、ゆったりした長いキスを……。憤慨したものの、結局その条件を受け入れたアン。ふたりの旅路の果てに待つものは――
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Miyuki_fsog
16
う~ん…元船乗りの妻としては海賊ヒーローは好きだけど、なんかだらだら感が… 途中、レディー達の噂話に『ジャック・ドジャー』と『ラヴィングドン元公爵婦人』が登場した事が嬉しかった❤ ここまできたら 末弟・レイフが気になるけど 翻訳されてないのかな( ・◇・)?2018/02/04
choco
12
ペンブルック三兄弟の双子の弟編。麗しの船長。登場の仕方が色気たっぷり。飲み屋で崩れたように座り足を投げ出し、シャツのボタンがいいところまで外されてて、物憂げにビールのジョッキについた水滴をなぞりながらヒロインをお出迎え。「欲しいものは必ず手に入れる」と豪語。海から離れられない性質になってしまった彼が、陸から離れられないヒロインとどう折り合いをつけるのかつけられないのか。船で待ってる船員さんたちも気の毒だから早よ決めたげて、とは思いましたね。登場の仕方との対比でエピローグが何ともかわいいですよ。2017/12/25
ぽこ
12
今までの自分を捨ててまで、相手の世界に飛び込めるのか。難しい選択だと思います。どれだけ相手のことを思っていても、結婚となれば周囲の理解と自分を納得させるものがなければ押しつぶされることの方が多いのでは。ヒーローとヒロインの間には、通じ合うものと通じ合わないものがあって、お互いに相手になじもう、すり合おうと努力する姿が印象的でした。ヒロインはヒーローの夢をしっかりと考えていた上で、いろいろな選択をしていたように感じます。最終的にどのように決着をつけるのかが見物でした。2015/05/26
trink
5
チェトウィン幸せになってーーー!!!2016/08/29
矢田ふみえ
4
途中で、子ができて身動きとれず結婚というストーリーかと思ったが、求婚していたチェトウィンがめちゃくちゃいい人で二人の愛をつらぬくために身をひく。海から離れられないと思っていたトリスタンだけど、船を売ってしまうという決意は、いさぎよいね。2016/05/17