滔々と紅 (本のサナギ賞受賞作)

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滔々と紅 (本のサナギ賞受賞作)

  • ISBN:9784799316368

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内容説明

全国の書店員が「世に出したい」新作を選ぶ、エンタメ小説新人賞

第 1 回 本のサナギ賞大賞作品が文庫版で登場!


「読み終えたときは胸が震えた。完成度の高さで群を抜き、これほど読ませる作品を書く作者が、いままで無名であることが信じられなかった」 さわや書店・松本大介

<あらすじ>
天保八年、飢饉の村から 9歳の少女、駒乃(こまの)が人買いによって江戸吉原の大遊郭、扇屋へと口入れされる。駒乃は、吉原のしきたりに抗いながらも、手練手管を駆使する人気花魁、艶粧(たおやぎ)へと成長する。
忘れられぬ客との出会い、突如訪れる悲劇。苦界、吉原を生き抜いた彼女が最後に下す決断とは…。
「ここは吉原じゃ。世間からは苦界とか地獄とか呼ばれておる。お前にもそのうちわかる。ここから生きて出たければ強い心を持たんといかん。それができないものは死んでいく。馴染むものには極楽じゃ、嫌う者には地獄じゃ。まあ、これはどこも同じじゃがな……
地獄か極楽かはお前さん次第じゃ」

本書は2017年に小社より刊行された著作を文庫化したものです。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ナイスネイチャ

176
図書館本。表紙の絵に惹かれて、この漢字が読めず、気になって読みました。吉原が舞台とする作品で初読み作家さん。面白いというより勉強になりました。花魁の定年はかなり若かったり、借金返済の為に働いているのは知っていましたが、色々あるんですね。最後も良かった。この作家さん追いかけます。2015/05/17

いつでも母さん

100
サナギ賞って・・分かるけどなんだかなぁ。読友さんのレビューに誘われて。タイトルが良い!口減らしの為苦界に売られた駒乃の話。吉原に身を置きその中で生き、花魁になるまでのストーリーは今までにも数多の作品が有り、新鮮味には欠けた感じは否めないが、読み易く読了した。最後の足抜けはドキドキ感があり面白かった。逃げおおせ、長崎で幸せに暮らしましたとさ。ではなく、息子を産み育てるも病に冒され、早くに亡くなった禿・なつめを娘と言う駒乃が、縁の不思議か母親と弟の消息も知り、二年後に死ぬまでの生涯はまさに『滔々』とだった。2015/09/16

あすなろ

93
ホントに志坂氏はサナギ大賞を受賞する要件ある新人なんですか?まず、それが聞きたくて仕方ない。どなたかの別ネームとか?そんなことを問いたくなる出来栄え。明治目前の吉原を描くのだが、人物描写・展開・風俗等それら描き込みがスゴイ。一気読みしてしまった一冊。確か、どなたかの読友さんの感想から興味持った作品であったが、もっと早く読めば良かった!志坂氏はなんと岐阜の方で岐阜在住とのこと。応援致します!2018/01/20

ann

70
【女性限定遊廓部課題図書】遊廓モノ初心者の方に是非オススメしたい作品。ところどころに「説明しよう」的なくだりが挟まれていて、読み終える頃には遊廓の全体像が把握できる。遊女の死ぬ場面にはいつも涙してしまう。つらい場面は承知だけど。久しぶりに気持ちが入ってしまう課題図書だった。なつめ。なつめ。2017/02/02

きむこ

68
口減らしの為に吉原に売られた駒乃の一代記。数ある吉原の物語と異なるのは彼女は決して自分の運命を諦めなかったこと。滔々と・・この題名の響きの中に悲しみ、諦め、そして心の奥の強い意志、全てを感じさせてくれる。サナギ大賞受賞作。★4.52019/07/03

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